中吉
今日の夕方、初詣に行った。
薄暗い神社は思っていた程混んでおらず、皆やはり元旦に初詣は済ませたのだろう……とホッとした。人混みは苦手だ。
神社の鳥居をくぐると、夫が参道の中央を歩いてはダメだと言う。
中央は神様が通る場所だから端を歩くのだと。
そう言われて私と夫と愛犬は一列になって道の端を静かに歩いた。
犬は本殿にまで入っていけない為、一人が愛犬と手前で待つ事にし、夫と私は交代で参拝する事になった。
私はポケットにお賽銭の五円玉を二つ握っていた。
私の分と愛犬の分。
夫は自分で出来るので必要ないが、愛犬の分は私が一緒に参拝する。
昔からお詣りといえば、お願い事をするものだと思っていた。
だがどこかで「お願い」ではなく「感謝」をするのが大切だと聞いてからは、いつも昨年までの感謝の気持ちを伝えるようにしている。
いつもネガティブな私にとって、これがなかなか難しいのだけど。
私も夫も参拝を終えると、毎年恒例のおみくじを引くことにした。
夫はおみくじの結果なんて何も気にしないタイプだが、私はこんな些細な事でも毎年気にする。
結果が悪ければ、今年は何か悪い事が起きるのでは?今より辛くなるのでは?
そんな風に正月早々ジメジメと思い込む。
今年のおみくじの結果。
私は小吉。
夫は大吉だった。
いつも結果を気にする私を知っている夫は言った。
「わ!逆だったら良かったのに。ころりが大吉になるように願っていたんだよ」
「なんだか私、いつも運がないわ。あなたっていつも運が良いよね」
と、私は恨めしいセリフを吐いた。
「僕は欲が無いからかも。凶でもいいと思っているのが逆にいいんじゃない?」と言い夫は笑った。
そして私は愛犬を抱いていた為、おみくじを夫に渡して「私のも結んでおいて」と頼んだ。
すると夫は自分の大吉おみくじの上に私の小吉おみくじを重ね合わせ、一緒に折りたたんで所定の場所に結んだ。
「重ね合わせたから二人とも中吉になったよ」
そう言われて私も「そうね」と言って笑った。
帰り道も参道の端を歩いた。
リードを引っ張り前を歩く愛犬の後ろ姿が嬉しそうだった。
私は小吉。
夫は大吉だった。
いつも結果を気にする私を知っている夫は言った。
「わ!逆だったら良かったのに。ころりが大吉になるように願っていたんだよ」
「なんだか私、いつも運がないわ。あなたっていつも運が良いよね」
と、私は恨めしいセリフを吐いた。
「僕は欲が無いからかも。凶でもいいと思っているのが逆にいいんじゃない?」と言い夫は笑った。
そして私は愛犬を抱いていた為、おみくじを夫に渡して「私のも結んでおいて」と頼んだ。
すると夫は自分の大吉おみくじの上に私の小吉おみくじを重ね合わせ、一緒に折りたたんで所定の場所に結んだ。
「重ね合わせたから二人とも中吉になったよ」
そう言われて私も「そうね」と言って笑った。
帰り道も参道の端を歩いた。
リードを引っ張り前を歩く愛犬の後ろ姿が嬉しそうだった。
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