暗い髪
美容室に行ってきた。
私の髪型はロングの黒髪。
しかしただでさえ暗い私。黒髪で余計に顔が暗く見える気がする。
内面が変われないのならせめて見た目だけでも……と、久々にカラーリングをしようと思った。
美容室に着くと、いつも担当してくれている子が簡単なカウンセリングをしてくれる。
「アッシュ系でグリーンを足してあげると落ち着いた色合いになると思いますよ」
そうアドバイスしてくれたが、何が何やら言っている意味が分からない。
「はぁ」と間抜けな返事をすると、担当女性はカラーチャートを見せてくれ、「このぐらいの髪色になると思います」と指さした。
赤味を抑えた栗色という感じ。その色味は気に入ったが、年齢的にもあまりにも明るいのは控えたい。自然な程度の栗色。それが理想だった。
それを伝えると、「分かりました。お任せ下さい」と、担当女性はニッコリ笑った。
そしていざカラーへ。
カットやパーマと違い、今のカラーは本当に早い。薬剤を付けて待つ時間がたったの5分。
え?もう終わり?こんなので本当に染まったの?と驚く程だった。
そしてシャンプーを終えブローし始めた。
鏡に映る自分を見ているうちに、「あれ?」と怪しい気持ちになる。
確か明るく染めるつもりだったのに、目の前に映っている自分の髪色は、まさかのまっ黒。墨を塗ったかのよう。
私の地毛は元々濃い茶色という感じなので、地毛よりも黒くなったような気がした。
どういう事だ?黒く染めるように頼んだ覚えはないのに。
ただただ無言で鏡を見つめていた。
丁度隣に座っていた女性もカラーをしていたらしく、仕上がった後の会話が聞こえた。
「とても綺麗にカラーが出ましたよ。このバイオレットのカラーは出辛いのですが、本当に綺麗でお似合いです」
と、美容師は嬉しそうに言っていたが、客の方は「そうですか?」と何だか口調が重い。
私から顔は見えないが、もしや私と同じで想像していた色に仕上がっていないのではないだろうか。
私は、もしかしてこのまま待っていればまだ何か処置をするのかな?今はカラーの途中段階なのかな?と僅かな希望を持ちながらジッと耐えたが、
「はい、お疲れ様でした」
という声を聞いて「やはりこれで終わりなのか……」とがっかりした。
美容師は「今は室内なので少し暗く見えますが、光が当たる場所だと良い感じでくすんだアッシュ感が出ると思います」と言った。
「はい、ありがとうございます」と言って店を出た。
その後、何度光の当たる場所で鏡を覗いた事か。
正直、元の自分の髪色の方がまだ明るかったと思う。美容師の言うアッシュ感というのも髪をじっくり観察すれば分からなくもないが、パッと見た感じはただの黒髪。
なんだか髪色が余計に暗くなって、気分まで暗くなった。
自分の希望を正確に伝えるって難しい。
私の地毛は元々濃い茶色という感じなので、地毛よりも黒くなったような気がした。
どういう事だ?黒く染めるように頼んだ覚えはないのに。
ただただ無言で鏡を見つめていた。
丁度隣に座っていた女性もカラーをしていたらしく、仕上がった後の会話が聞こえた。
「とても綺麗にカラーが出ましたよ。このバイオレットのカラーは出辛いのですが、本当に綺麗でお似合いです」
と、美容師は嬉しそうに言っていたが、客の方は「そうですか?」と何だか口調が重い。
私から顔は見えないが、もしや私と同じで想像していた色に仕上がっていないのではないだろうか。
私は、もしかしてこのまま待っていればまだ何か処置をするのかな?今はカラーの途中段階なのかな?と僅かな希望を持ちながらジッと耐えたが、
「はい、お疲れ様でした」
という声を聞いて「やはりこれで終わりなのか……」とがっかりした。
美容師は「今は室内なので少し暗く見えますが、光が当たる場所だと良い感じでくすんだアッシュ感が出ると思います」と言った。
「はい、ありがとうございます」と言って店を出た。
その後、何度光の当たる場所で鏡を覗いた事か。
正直、元の自分の髪色の方がまだ明るかったと思う。美容師の言うアッシュ感というのも髪をじっくり観察すれば分からなくもないが、パッと見た感じはただの黒髪。
なんだか髪色が余計に暗くなって、気分まで暗くなった。
自分の希望を正確に伝えるって難しい。
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