4つの鉢
一昨日の夜、一人リビングでパソコンを見ていると、家の裏の方から小さな声が聞こえた。
ミャ~、ミャ~、ミャ~
もしかして子猫?そう思ったが、外に見に行ったからといって私が飼える訳ではない。見てしまうと罪悪感をもつだけなので、ここは心を鬼にして気付かないフリをした。
しかし声が止む様子はなく、それどころか一層声が大きくなってきた気がする。耳がそれに集中しているからだろうか。
だが、しばらく聞いていると、声が一匹ではなさそうな事に気付いた。まるで輪唱の様に声が複数聞こえる。もしかして二匹いるのか?
早く鳴き止み、どこかに行って欲しい……そう願いながら我慢していたが全くその気配がない為、遂に私の方が根負けした。
玄関を出て家の裏に回る。
家の裏には物置やゴミ箱、ガーデニング用品が乱雑に置いてある。その物陰に隠れているんだろうと思った。
懐中電灯を照らして見ると、その声の主達は目の前にいた。なんと子猫が4匹!
私はその場所に、3号サイズのテラコッタ鉢を4つ放置していたのだが、その並べた鉢の中にスッポリと子猫が入っているのだ。
一つの鉢に一匹ずつ。数もピッタリでまるで置物。
鉢には何も植えていないが土が残っていたので、そこに入ると温かいのだろう。
先程まであれだけ鳴いていたのに、私が懐中電灯でその子達を照らすと、ピタッと鳴き止んだ。4匹の八つの目がジーッと私を見つめる。あぁ……こんな寒い所でお腹を空かして。堪らない。ギュッと抱きしめてみんな家の中に連れて行きたい。
人に慣れていない様だったので、一定の距離を保ちながら私はしゃがんでその子達を見つめた。
すると隣の家の塀に大きな猫が座っている事に気付いた。姿勢を低くしてこちらを見つめている……というか睨んでいる。きっと親猫だ。
そうか、お母さんがいたんだね。鉢の中でお留守番していたんだね。
私は家族を邪魔しない様にソッとその場を離れた。
家の中に戻り静かに音を聞いていると、また小さな声が聞こえ始めた。
ミャ~、ミャ~、ミャ~
やはりこうして声を聞いていると、あんな小さな子達が寒空で生きるのが心配でならないが、親がいるのだから大丈夫、と自分に言い聞かせた。
少しすると鳴き声が聞こえなくなった。どうしたのだろう?
10分程待って私はまた外に出てその場所を見に行った。
そこには空っぽになった鉢が4つ並んでいた。
どこかに行ったんだね……。
ホッとしたような少し寂しい気持ちだった。
先程まであれだけ鳴いていたのに、私が懐中電灯でその子達を照らすと、ピタッと鳴き止んだ。4匹の八つの目がジーッと私を見つめる。あぁ……こんな寒い所でお腹を空かして。堪らない。ギュッと抱きしめてみんな家の中に連れて行きたい。
人に慣れていない様だったので、一定の距離を保ちながら私はしゃがんでその子達を見つめた。
すると隣の家の塀に大きな猫が座っている事に気付いた。姿勢を低くしてこちらを見つめている……というか睨んでいる。きっと親猫だ。
そうか、お母さんがいたんだね。鉢の中でお留守番していたんだね。
私は家族を邪魔しない様にソッとその場を離れた。
家の中に戻り静かに音を聞いていると、また小さな声が聞こえ始めた。
ミャ~、ミャ~、ミャ~
やはりこうして声を聞いていると、あんな小さな子達が寒空で生きるのが心配でならないが、親がいるのだから大丈夫、と自分に言い聞かせた。
少しすると鳴き声が聞こえなくなった。どうしたのだろう?
10分程待って私はまた外に出てその場所を見に行った。
そこには空っぽになった鉢が4つ並んでいた。
どこかに行ったんだね……。
ホッとしたような少し寂しい気持ちだった。
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