いつもの事

ころり

2016-07-29

兄と久々に会った。
母と会うのも億劫だが、兄夫婦や兄の子供に会うのはもっと疲れる。

だが実家に兄が帰省する時には必ず私に連絡がくる。
気が重い。

兄が私に会いたいと言っている……今回も母は電話でそう言っていたが、嘘に決まっている。

なぜなら兄は私と会ってもほとんど話さないから。嫌われているのか、興味がないのか、兄妹でありながら兄の考えている事が良く分からない。

こちらから話しかけても返答はほとんど無く、何より兄の口調や表情に棘を感じる。一人で空回りしているのもバカらしくなり、いつの頃からか兄と会うのが苦痛になった。

そんな気まずい関係の兄と久々に会った。

兄の妻は私と正反対のタイプで体育会系のサッパリとしたタイプだ。甥や姪は部活や勉強が忙しい年頃になり、兄家族は毎日が忙しくも充実しているのが伝わってきた。

兄本人も世間からはエリートと呼ばれる会社に勤め生活は安定している。

私とは大違いの人生。

母は嬉しそうに兄達に話し続け、私はその様子をただ静かに見ていた。
すると母は私に気を遣ったのか、「ころりも毎日忙しいわよね？」と私に話を振ってきた。

「別に」と答えると、

兄は、「忙しいって……何もしていないだろ」と言い、鼻で笑った。

確かに兄から見れば、私は毎日暇で怠けている妹だろう。
私はそれ以上何も言わなかったが、その兄妹の様子を見て何も感じない母にも失望した。

この家族でいるのが重い。