カミングアウト
また新たな心療内科に行ってきた。
前回の医師が全くダメだという訳ではないが、最初に「次の方どうぞ」と診察に通された時から、口調・表情の印象に「何か違う」と既に感じていた。
今回も出来るだけ期待せずに行ったのだが、もしここもダメだったら次に候補となる病院が思い当たらなかった為、心のどこかで「良い先生でありますように」という願いがあった。
緊張して待っていると、医師自ら待合に顔を出し「ころりさんどうぞ」と呼びに来てくれた。
この第一印象が大切。口調、表情、いいかもしれない。
診察室に入るとこれまでの経緯や現在の不調を説明する。
時々相槌を打ちながら、医師はひたすらカルテに私が話す事を書き込んでいた。
前回の医師とどこが大きく違うのか説明は出来ないが、前回よりは話しやすいと思った。
この医師がまず提案したのが「環境調整」。
私は色々な心の不安定さを抱えているが、今現在直面しているのは何よりも緊張やパニック症状。
医師はそれを職場の人に話せないのか?と言った。
周囲に理解してもらう事で、「失敗せずにやらなければならない」というプレシャーが軽減されるのでは?と言う。
確かに。
だが私は言った。
「とてもそんな事言えません。そんな職場環境ではないのです。それを知られる事で上司は私を軽蔑するでしょうし、同僚からは白い目、興味本位の目で見られるだけです」
「どうして?SADやパニック障害は心の病で悪い事ではないでしょう?」
「確かにそうですし、それを受け入れてくれる会社や人もたくさんいると思いますが……今の職場では無理です」
「それはやってみないと分からないでしょう?一度試してもし本当に理解してくれない会社なら、そんな会社は辞めてしまっていいのではないですか?」
「……そうですね……だけどやっぱり告白する勇気がないです」
医師が言う事全てが正論で、的確なアドバイスをしてくれていると感じた。
だけど告白した時の上司・スタッフ達の反応が容易に想像出来る。とても勇気が出ない。
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