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尾崎裕哉さん

ころり

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先日テレビに尾崎裕哉さんが出ていた。
出演するとは知らず偶然つけた瞬間に登場された為、驚き咄嗟に録画ボタンを押した。

私も昔は尾崎豊の曲を聴いていた一人。

何年か前にも彼の息子が父親の歌を歌っているのを聴いた事があったがその時はあまりにもソックリで、今回もまたネット上で騒がれているように「親子って凄い」と似ている事に感動した。

だが、今回は以前に比べてあまり似ていないと思った。そしてそれが良かった。
以前は似ている事に感動し、今回は彼が自分らしく成長している事に感動した。まるで親目線だけど。

親は親の、息子は息子なりの良さがある。皆の期待通り瓜二つに歌う必要はなく、かといって無理に似せないように意識する必要もない。それが無理せず自然体に見え、何より彼自身の繊細そうでいて温かな雰囲気に好感が持てた。

学生時代、私よりもっと心酔してオザキの歌を聴いている友人がいた。
いつも学校からの帰り道、彼女と色んな事を話した。

彼女はまだ高校生にしては大人びていて幼い頃から父親がおらず、母親は夜の仕事をしていた。彼女には兄弟もいなかった。学校でも一人でいる事が多く、それはいじめられているとか仲間に入れないとかではなく、皆に好かれていて「一緒にランチしようよ」といつも誘われているのに、「ありがと、でもごめん」と言いながら校庭のどこかに消えていくような子だった。

皆彼女の事を「大人っぽくて恰好いい、素敵」と羨望の眼差しで見ていた。

そんな彼女となぜか私が交流するようになり一緒に学校から帰宅し、そのまま彼女の部屋で話し込むようになった。彼女の自宅にはいつも誰もいなかった為、遠慮もなくいつまでも話していた。


だが彼女は私以上に繊細だった。
そして尾崎豊が好きすぎて、「オザキが入院した」「オザキが結婚した」「オザキが太った」と何かある度に本気で落ち込んでいた。
私はそこまで誰かにハマるという事はなく、ただ近くで彼女を見ていて「そこまで好きになれるなんて凄いわ」と感心していた。

そしてある日、彼女は学校に来なくなった。
彼女の「オザキ」が亡くなったのだ。

私がその日の帰りに彼女の家に行くと、彼女は玄関ドアの隙間から泣きはらした顔を見せ、「……もう生きていけない」と言った。

「そんな事ないよ!明日学校に来てね!」とドア越しに一生懸命励ましたが、それから彼女が学校に来る事はなかった。私が家を訪れても二度と返事はなく、半年程したある日私は担任に一人呼び出され、彼女が引越ししたと教えられた。

彼女とはそれきりだ。

今、尾崎豊の息子を見ているとあの頃を思い出す。

TVを観ながら、昔のあの友人は今この同じ画面を観ているのかな?と思った。もしそうなら何を感じたのだろう。




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Posted byころり