頑張ったね





エアコンが壊れた。

先日、冷房に設定しても熱風が吹き出してくる様になり、それと同時にエアコン本体から水がボタボタと落ちてくるようになった。

これはさすがに買い替えるしかない。それもここ最近急に猛暑になってきた。どうせ買い替えるならもう少し前に交換すれば良かったと後悔するがもう遅い。特に暑がりの夫はエアコンのない生活は耐えられないだろう。

案の定、帰宅した夫に「エアコンから熱風が出るよ」と報告した。

「えぇっ⁉」と大袈裟に驚いた夫は、汗だくになったワイシャツを脱ぎながら冷房のスイッチを入れた。そして顔にあたる熱風を確認した夫は更に汗を流しながら、「早く買いに行きたいけど、しばらく休みがないよ」と言った。

そうだ。最近夫は忙しくて次の休日も決まっていない。

これがもし小さな家電だったらネットで購入しただろう。
しかしエアコンとなると設置工事が必要だ。ネットを通して購入しても、設置の手配をしてくれる様だが何だか面倒に感じた。古いエアコンの撤去などを考えると、近所の家電量販店で購入した方が全てお任せで楽に思える。

だが今まで大きな家電を購入する時はいつも夫と一緒に店に行っていた。
私は値段交渉が苦手だし、そもそも決断力がない為、一人でどれを購入するのか決めるなんて億劫だった。後で夫にダメ出しをされたらどうしよう……と思う。

それを夫に伝えると、夫は「別にダメ出しなんてしないから近いうちに買ってきて」と言う。

あぁ、苦手だが仕方がない。

そして私は次の日、家電量販店に行った。
今日は決められなくても、とりあえず店頭価格だけでもリサーチしようと思った。ドンヨリと暗い顔をしてエアコンコーナーに一人で向かう。どうか店員が寄って来ませんように。

だがこういう店は5分と待たずに店員に声をかけられる。
「何畳用をお探しですか?」「ご希望のメーカーはありますか?」


私は事前にネットで大体の売れ筋商品を検索してあった。夫とも相談し、これぐらいの商品がいいねと希望を絞ってあった。

なので店員に希望商品がある程度伝えると、店員はまさにネットで見ていた商品と同じものを案内してくれた。

そうそう、これだ。

すると店員はどんどん話を進め、値引き価格や下取り、設置料金まで次々と説明してくれる。だが私はその日に買うつもりはなかった為「また一度家族と相談してみます」と帰る素振りを見せると、「少しここでお待ち下さい!」と引き止められ、店員は店の奥の方に行ってしまった。

そしてしばらくして戻ってきた店員は、なんと先程言っていた金額より更に2万円も値引きした価格を提示してきた。

え?私値切ったつもりはないんですけど……。勝手に値切られてきた。
これは安い。正直ネットと同価格で設置込なんてお得過ぎる。
次の瞬間、私は「買います」と即答していた。

それもエアコンが壊れた話をしたからか「急ぐでしょう」という事で、その日の夕方に設置に来てくれると言う。
そうしてそのまま購入し、その夕方には設置が完了。あっという間に熱風騒ぎが解決してしまった。

何も知らぬ夫に事後報告となったが、設置が終わった後に夫にLINEで連絡した。

「エアコン買い替えました」
「えぇ⁉」
「設置終わりました」
「えぇーっ⁉」
「ネットと同じ価格だったよ」
「マジ⁉」

そして最後に夫からの返事。
「頑張ったね」

私はこんな一言でジーンとしてしまった。ただエアコンを買っただけだ。子供だって出来る。頑張るも何もない。だが内容の問題ではないのだ。私はこの「頑張ったね」という言葉に何とも言えない優しさを感じた。不意打ちの言葉であり、バカだと思われるだろうがなぜか涙が浮かんだ。

日々緊張感でいっぱいの心が緩んだ瞬間だった。




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Posted byころり
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