離婚のすすめ
GW中は家から出ないつもりだった。
どこに行っても人が溢れているのが想像出来る。
だが昨日の夫との事があり、今日は絶対に文句を言われない夕食を作らなければ……という気持ちになっていた。それでも朝のスタートは遅く、昼頃にはついウトウトと眠りそうになってしまったが、重い腰を上げてスーパーに食材を買いに行く事にした。
近所には多くのスーパーがあるが、一番人気の大型店舗は避け、あまり繁盛していない古めの小さなスーパーに行った。ここなら知人と会う確率が低いと思ったからだ。
必要なものだけをカゴに放り込み、他には目もくれず急いでレジに向かった。
早く帰ろうと思いながら食材を袋に入れていると背後から声をかけられた。
「あの……ころり?」
ドキッ!とした。まさかこんな所でこの短時間で知人に会うなんて。
誰かと思いつつ後ろを振り返ると昔の友人、麻子だった。最後に会ったのは25歳ぐらいだっただろうか。麻子の隣には昔何度か会った事のある娘が立っていた。名前は憶えていない。
「あ……久しぶり」と私はぎこちない笑みを浮かべた。
「わーっ!どうしてた?ずっと会いたかったのよ~。旦那さんは元気?仕事も頑張ってるの?子供は?」
麻子は急き立てるような口調で質問攻めにしてきた。
「うん、まぁ」と私は返事を濁し、そのまま買い物袋を持って駐車場まで歩き始めた。
麻子とは学生の頃には仲が良かったのだが、大人になるにつれ考え方が違ってきて、いつの間にか私にとって苦手なタイプになった。それで付き合いも疎遠になっていったのかもしれない。
麻子はそのまま私の車まで付いて来た。その間ずっと一人話続けている。
麻子は娘を出産後すぐに離婚したのだが、その後も再婚をしていないらしい。
「一人で子供育てるのって大変だったわよ~。今は落ち着いて楽になったけどね」
ペラペラと話し続ける麻子の隣で、大人しそうな娘はジッと黙って立っている。
麻子が再び、「ころりはまだ前の仕事、続けているんでしょ?」と聞いてきたので、
「あそこは辞めたわ。今はパート程度で少しね」と答えた。
すると「じゃあやっぱり子供出来たんだ!今いくつ?」と言うので、「子供はいないわよ」と答えた。
25歳の頃と言えば将来不妊や鬱で悩む事を想像もせず、仕事中心の生活だった。それを知る麻子からすれば、仕事をしているか、子育てをしている私しか想像出来ないのだろう。だが結果、そのどちらでもない私がいる。
すると麻子。
「え⁉そうなの?寂しいねー。じゃあ旦那と二人?」
「パート程度でいられるなんて旦那の稼ぎいいんだぁ~」と言うので、「全然そんな事ないわ。ギリギリの生活よ」と私が答えると、
「そうなの?それでよく我慢してるね、尊敬するわ。私なら子供いないなら絶対離婚しちゃう。あ、私は子供がいても離婚したけどね、アハハッ」と自虐を交えながら笑った。
「旦那いなかったら気楽でいいよ~」と言う麻子。
麻子はこういう事を平気でズケズケと言うタイプだと昔から知っているので私は平気だったが、黙って隣に立っている麻子の娘が気になった。
母をどういう目で見ているのだろうか?
母の顔を見ようとしないその横顔が冷めていて、なんだか悲しく思えた。
麻子は娘を出産後すぐに離婚したのだが、その後も再婚をしていないらしい。
「一人で子供育てるのって大変だったわよ~。今は落ち着いて楽になったけどね」
ペラペラと話し続ける麻子の隣で、大人しそうな娘はジッと黙って立っている。
麻子が再び、「ころりはまだ前の仕事、続けているんでしょ?」と聞いてきたので、
「あそこは辞めたわ。今はパート程度で少しね」と答えた。
すると「じゃあやっぱり子供出来たんだ!今いくつ?」と言うので、「子供はいないわよ」と答えた。
25歳の頃と言えば将来不妊や鬱で悩む事を想像もせず、仕事中心の生活だった。それを知る麻子からすれば、仕事をしているか、子育てをしている私しか想像出来ないのだろう。だが結果、そのどちらでもない私がいる。
すると麻子。
「え⁉そうなの?寂しいねー。じゃあ旦那と二人?」
「パート程度でいられるなんて旦那の稼ぎいいんだぁ~」と言うので、「全然そんな事ないわ。ギリギリの生活よ」と私が答えると、
「そうなの?それでよく我慢してるね、尊敬するわ。私なら子供いないなら絶対離婚しちゃう。あ、私は子供がいても離婚したけどね、アハハッ」と自虐を交えながら笑った。
「旦那いなかったら気楽でいいよ~」と言う麻子。
麻子はこういう事を平気でズケズケと言うタイプだと昔から知っているので私は平気だったが、黙って隣に立っている麻子の娘が気になった。
母をどういう目で見ているのだろうか?
母の顔を見ようとしないその横顔が冷めていて、なんだか悲しく思えた。
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