社会不安障害で働く事
先日、派遣先で来客応対した時、急に心臓がバクバクと踊りだし、声が出ずに呼吸が荒くなった。必死になって何とか声を出してみると、明らかに周囲にいた人にも分かるぐらい、声が震えていた。
震えている自分の声に気付くと緊張感がピークになり、頭が真っ白。
心臓の震えも止められない。
元々小心者の私。
大勢の人前で話すなんて以ての外。昔、結婚式のスピーチを頼まれ、その時は断るのは失礼だと思い何とか頑張るつもりで引き受けたが、いざそのスピーチをする為にマイクの前に立つと、自分でも驚くぐらい緊張して震えてしまい、やはり私はダメだと思い知った。
私は自分が自覚している以上に緊張してしまう。
だが来客や電話応対程度なら、今までの仕事で経験を重ねてきた事で慣れもあり、これまでこういった症状が出た事は無かった。
なので今回は自分自身でも驚き、情けなさで落ち込んだ。
私は普通ではない。こんな事も出来なくなった。
職場の人にも何と思われただろう。
震える声で対応している私に周囲も変に思ったらしく、皆ジッと私を見つめていた。
私は消えてしまいたいぐらい恥ずかしかったが、何とか震えながらも相手と会話を終了させた。来客が帰った後も誰も何も言わなかったが、それがかえって気まずく感じた。
ここまで酷いなんて。
仕事、人間関係に自信を積み重ねている時には、こうした私の弱い部分は隠れていただけ。
だがほんの少し心が不安定になるだけで、元の弱い自分が顔を出した。
私はこの出来事で、本当に正社員なんてとんでもないと思った。とても勤まらない。
だが頭を使ったり、書類を作成するのは本当に好きだ。声を出さなくて良い仕事があればいいのに……と、そんなあり得ない事を思ってしまう。
それらしい病名を付けてしまえば、「社会不安障害」。
以前心療内科の待合で冊子を読んだが、それにピッタリ当てはまると思った。
昔はこんな症状も、「恥ずかしがり屋、消極的、あがり症」なんて言葉で済まされていたが、今は病気として治療法もあるらしい。それがいいのかどうか分からないけれど。
その後夫に、「集団療法」というものに参加してみた方がいいのかな?と相談してみた。
しかし夫は、「そういう事は意識し過ぎるとかえって逆効果だと思う。参加する事で常にそればかり意識してしまうだろうから、あまり深く気にしない方がいいのでは?」と言われ、その通りだと思い諦めた。
しかし、あまりにも情けない自分が本当に嫌になる。若い子ならまだしも、この年齢になってまでいつまでもこんな風ではとてもこの先働いていけないと思った。
文字を追うだけが仕事じゃない。どちからといえば社会に出れば人と会話する事が仕事の大部分を占めている。そしてそれが苦手なんて致命的だ。
鬱病以前の私はそんな弱い自分を認めたくなくて、緊張が酷くても、「やれば出来るはず!」と自分に言い聞かせてなんとか無理をしてこなしていた。その無理のしわ寄せが鬱病になった原因の一つかもしれない。
また専業主婦に戻るのならこのままでもいい。
だけど少しでも社会で働く事が出来るなら、こんな自分を変えられたらいいのにと思う。
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