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専業主婦

ころり

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祝日の朝。

玄関先の鉢花に水をやっていると、近所の夫婦を見かけた。
そこの夫はエリートサラリーマン。毎日早朝に家を出て深夜に帰宅しているらしく、私はほとんど顔を合わせた事がない。妻は専業主婦であり、子供は大学生で家を出ているので、その主婦はほとんどの時間を家で一人過ごしている様だった。

家で毎日何しているのだろう?
取り残され感はないのだろうか?

引きこもっている自分の事は棚に上げて、その主婦が働く気もなく、それでも満足気に家で過ごしているのがいつも不思議だった。あんな風に専業主婦で何もしていなくても、堂々と幸せそうなのが羨ましい。

やはり子育てを終えたという達成感があの余裕を生み出しているのだろうか。
私の常にある焦燥感は、子育てという女性にとっての大きな仕事が欠けている為だろうか。

その夫婦はどうやら旅行に行くらしく、それらしい恰好をして荷物を抱え、私の家の前を通り過ぎるところだった。

「こんにちは」
と互いに挨拶をすると、いつも話さないその主婦が私に声をかけてきた。

「今日はご主人は?」
「あ……仕事です」
「そうですか、連休にお一人で寂しいですね」
「いえ、別に……行くところもないですから」

と私は答え、ぎこちなく笑った。


「綺麗な花ですね」とその主婦はまだ話を続けたが、夫が隣で待ってくれているので私は「早く行った方がいいんじゃないの?」と内心思いながらも、一向に立ち去ろうとしないその主婦に何か話さなきゃと思い、「ご旅行ですか?」と聞いた。

するとその主婦は嬉しそうに、「そうなの!主人がね、有休をとってくれたから、10連休なんですよ。ずっと行きたかった海外に行こうと思って」と笑った。

何となくそれが言いたかったのかな?と思いつつ私は「わぁ~凄い、海外ですか、いいですねー」と返した。

「お土産買ってきますね!」と言い、ようやくその夫婦は立ち去った。

しまった。こんな会話をしてしまえば、あちらに土産の気遣いをさせてしまう。聞かなきゃ良かった。土産を貰う時には旅行の土産話も聞かないと悪いし、いつも土産を貰うばかりでこちらから返すチャンスがなかなか無い事に気を遣う。

だけどその主婦は余程この旅行が楽しみだったのだろうと思った。
あんな嬉しそうに話しかけてくるなんて初めてだ。
日常は一人で暇な専業主婦。だけどたまの休日に夫と出掛ける事を心待ちにして過ごす。

そんな人生でもいいのかな……

働く事、人と関わる事に後ろ向きになりつつある私がいる。
その主婦が去り際にもう一言言っていた。

「ころりさんも時々ご主人と旅行にでも行って楽しんで下さいよ」

しかし夫と旅行に行って楽しんでる自分が想像出来なかった。
旅行に行って、その時間だけ現実を忘れる事は出来るかもしれないが、地に足がついていない今、何をしていても楽しめそうにない。旅行に限らず、遊びとは仕事や日常生活が充実していてこそ楽しめるものだと思うから。




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Posted byころり