強くなれない
落ちている。
どっぷり気分が落ち、誰にも会いたくない。
少し前には正社員で働こうか?なんて思っていた自分が嘘のようだ。
やはりやめておいて良かった。夫の言う通り、こんな弱い私にどこも勤まる訳がないのに、自分の弱さを忘れていたのか、出来そうな夢を見ていただけだった。
* * * * * * * *
今の派遣先には私より後に入った派遣女性が一人いる。彼女の名は酒家さん。
入ってきた時から私とはタイプが正反対だとすぐに気付いた。最初から私に対して態度がキツイな……と思う事が度々あったが、会うといっても週に2日程度だし、彼女は気分屋の為、常に態度が悪い訳ではなく、ある日には急に馴れ馴れしく親しげに接してくれる事もあった。
これぐらいどこの職場でもある事。
自分にそう言い聞かせてこの何ヶ月かを過ごしてきた。
現在この職場で派遣社員は私と彼女だけ。
上司は仕事の指示をする時、全て私に仕事を渡す。
そして私の判断でその仕事の一部を酒家さんに回して手伝ってもらうという流れになっていた。それは私が酒家さんよりも先にこの職場にいた事で、一応慣れているという上司の判断だろう。
また、以前にも書いたが酒家さんは仕事レベルが平均以下の為、上司が直接説明するのが面倒で私に振られてしまっているのも密かに感じていた。
性格の合わない相手に仕事を渡す、指示するというのは本当に気を遣う。それも同じ派遣同士なのに。いつも酒家さんに仕事を渡す時には、心で「ヨシッ!」と構えてから話しかけていた。
そんな感じでお互い合わないと気付きながらも何となくやってきた。
だが先日、上司が私の近くに書類を持ってきて言った。
「ころりさん、これ酒家さんにやってもらって下さい。分からない様だったら説明もしてあげて」
上司が去った後、私は酒家さんに書類を渡して言った。
「これお願いします」
すると彼女に「私、忙しいので出来ません」と返された。
え?忙しいって?一体今何やっているんですか?今彼女は何もする事がないのは知っていた。
「え……でも……これ酒家さんにやってもらう様にって言われたから……」と、私は心臓がバクバクしながらオドオドと言った。
すると彼女は明らかにイライラした口調で、「ころりさん自分ですれば?私出来ませーん!」
そう言って別の席に移動し、何かファイルのシール貼りを始めた。
上司に指示された書類がポツリと机の上に残されてる。どうしたらいいの?
私はそれ以上酒家さんに何も言えなかった。なぜか分からないが彼女は怒りのオーラで包まれていて、周囲に居た人達は気付いていたが顔も上げず他人事。
すごく孤独に感じた。
その後仕方なくその仕事を私がしていると、上司がそれに気付いた。
「どうしてそれをころりさんがしているんですか?それは酒家さんにやってもらう様にお願いしましたよね?」と、上司も少しイライラした口調だった。
近くには聞こえているはずの酒家さんが居たが、こちらを見ようともしなかった。
私は上司に言った。
「一応お願いしたのですが、忙しいから出来ないって言われたので……」
すると上司は「それであなたが引き受けていてはダメでしょう!相手が何と言おうと、強く言ってやってもらうべきです。そこで負けていては仕事が出来る人とは言えませんよ⁉」
と、私の不甲斐なさに呆れたのか、忙しさもあるのか、温厚な上司にしては珍しくキレ気味に強く言われた。
上司は私のやりかけていた仕事を奪い、そのまま酒家さんの所に行き彼女の目の前にバンッ!とその書類を置いた。
「君がやりなさい」
有無を言わせぬ雰囲気。
酒家さんは涙ぐみながら、「どうして私ばかり」とか「差別だわ」とか呟いていた。
泣きたいのはこちらだ。
世渡り上手になれない。どうしていつも躓くのだろう。人嫌いが一層深まった。
「これお願いします」
すると彼女に「私、忙しいので出来ません」と返された。
え?忙しいって?一体今何やっているんですか?今彼女は何もする事がないのは知っていた。
「え……でも……これ酒家さんにやってもらう様にって言われたから……」と、私は心臓がバクバクしながらオドオドと言った。
すると彼女は明らかにイライラした口調で、「ころりさん自分ですれば?私出来ませーん!」
そう言って別の席に移動し、何かファイルのシール貼りを始めた。
上司に指示された書類がポツリと机の上に残されてる。どうしたらいいの?
私はそれ以上酒家さんに何も言えなかった。なぜか分からないが彼女は怒りのオーラで包まれていて、周囲に居た人達は気付いていたが顔も上げず他人事。
すごく孤独に感じた。
その後仕方なくその仕事を私がしていると、上司がそれに気付いた。
「どうしてそれをころりさんがしているんですか?それは酒家さんにやってもらう様にお願いしましたよね?」と、上司も少しイライラした口調だった。
近くには聞こえているはずの酒家さんが居たが、こちらを見ようともしなかった。
私は上司に言った。
「一応お願いしたのですが、忙しいから出来ないって言われたので……」
すると上司は「それであなたが引き受けていてはダメでしょう!相手が何と言おうと、強く言ってやってもらうべきです。そこで負けていては仕事が出来る人とは言えませんよ⁉」
と、私の不甲斐なさに呆れたのか、忙しさもあるのか、温厚な上司にしては珍しくキレ気味に強く言われた。
上司は私のやりかけていた仕事を奪い、そのまま酒家さんの所に行き彼女の目の前にバンッ!とその書類を置いた。
「君がやりなさい」
有無を言わせぬ雰囲気。
酒家さんは涙ぐみながら、「どうして私ばかり」とか「差別だわ」とか呟いていた。
泣きたいのはこちらだ。
世渡り上手になれない。どうしていつも躓くのだろう。人嫌いが一層深まった。
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