名前
ある朝ゴミ出しに行くと、向かいからセーラー服を来た女子中学生が自転車乗って私の横を通り過ぎた。
すれ違う瞬間、女子中学生は私に軽く会釈してくれた為、私は慌てて会釈を返した。
しかし相手に私の会釈は見えなかっただろう。次の瞬間には既に遠くで自転車を走らせる後ろ姿が見えたから。
どこの子だろう?
私は近所の子供の名前は一人も覚えていない。
知らないのではない。
近所に子供が生まれた時、まだ子供が幼くてヨチヨチと近所を歩いていた時、何人かの母親には挨拶のついでに聞いた事がある。
「可愛いですね。お名前は?」
正直興味はないし、子供が苦手だ。
自分にも子供が欲しかったと思うくせに、子供が苦手だなんて矛盾しているが、子供の扱いに慣れていない為に困ってしまう。
母親にどんな話題を振ればいいのか?子供にどんな言葉をかければいいのか?全く分からずに、ひたすら精一杯の笑顔を浮かべるだけ。
そして年齢や名前を問いかけるぐらいしか思いつかず、名前を聞いた後もお決まりのセリフ。
「わぁ~可愛い名前。いいですね~」
そしてそれ以上会話が続きそうにないと思うと、そそくさと逃げるようにその場を立ち去る。
それから数日もすれば、その子の名前は何だったのか、すっかり記憶から消えてしまう。
そもそも近所の人と会話するなんて、何ヶ月に1回あるかないか。何年も顔さえ合わせない人も多い。
そんな状況だから、久々に近所の子を見るとどこの子なのやら、名前は何なのやら全く分からない。それでなくても子供というのは1年も経つと成長してすっかり姿が変わっている(ように見える)。
その為、次に近所の母と子が一緒にいるところに出くわすと困る。
母親を見れば、以前この子供の名前を聞いた事があるという事は思い出せる。
だがその名前が何だったのか思い出せない。何ヶ月、何年前に一度聞いた記憶だ。
しかし何度も聞くなんて失礼だ。「近所に住んでいて今更まだ名前を覚えてくれていないの?」と思われそうで二度も聞けない。
これが近所の子供全てなので困る。
付き合いがないので関わる事はほぼないが、ごくたまに会話の必要がある時に、「○○ちゃんは……」と名前を出す事が出来ず、「娘さんは」とか「子供さんは」という言い方しか出来ない。こういう些細な事が案外相手との距離を作ってしまうと思う。
先日会った女子中学生が、昨日の夕方再び自転車でうちの家の前を通り過ぎた。
やはり会釈してくれたので私も会釈したが、その後ろ姿を見つめていると、なんと斜め前の家に帰宅した。
そんなに近所の子供だったの?それさえ分からなかった自分に落ち込む。
立ち話をしていた主婦達がその女子中学生に声をかけていた。
「お帰り!今日は部活休み?」
やはり近所同士は家族のような輪が出来ている。うちを除いて。
お帰りとも声を掛けられなかった自分が大人として情けないが、今後も近所の子供との接し方に戸惑い続けると思う。
その為、次に近所の母と子が一緒にいるところに出くわすと困る。
母親を見れば、以前この子供の名前を聞いた事があるという事は思い出せる。
だがその名前が何だったのか思い出せない。何ヶ月、何年前に一度聞いた記憶だ。
しかし何度も聞くなんて失礼だ。「近所に住んでいて今更まだ名前を覚えてくれていないの?」と思われそうで二度も聞けない。
これが近所の子供全てなので困る。
付き合いがないので関わる事はほぼないが、ごくたまに会話の必要がある時に、「○○ちゃんは……」と名前を出す事が出来ず、「娘さんは」とか「子供さんは」という言い方しか出来ない。こういう些細な事が案外相手との距離を作ってしまうと思う。
先日会った女子中学生が、昨日の夕方再び自転車でうちの家の前を通り過ぎた。
やはり会釈してくれたので私も会釈したが、その後ろ姿を見つめていると、なんと斜め前の家に帰宅した。
そんなに近所の子供だったの?それさえ分からなかった自分に落ち込む。
立ち話をしていた主婦達がその女子中学生に声をかけていた。
「お帰り!今日は部活休み?」
やはり近所同士は家族のような輪が出来ている。うちを除いて。
お帰りとも声を掛けられなかった自分が大人として情けないが、今後も近所の子供との接し方に戸惑い続けると思う。
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