私にはあなたしかいないのです
私は愛犬の留守番について調べた。
「共働きなのですか愛犬を10時間以上留守番させるのは可能ですか?」
そんな質問に多くの回答がついている。
「出来ますよ。うちもそれぐらいお留守番しています。お利口さんです」
「徐々に訓練すれば大丈夫ですよ。ほとんど寝ているみたいですから」
読んでいて、悲しい気分になる自分がいた。
留守番が出来るか出来ないか、で言えばそれは「出来る」と思う。
飼い主は傍で様子を見ている訳ではないし、犬は放っておかれれば家で一人居るしかないのだから。人間の子供ではないから、親が帰宅しても「寂しかった、辛かった」と言う事も出来ない。
私は「犬の十戒」を思い出した。
「あなたには他にやる事があって、楽しみがあって、友達もいるかもしれない。でも私にはあなたしかいないのです」
この言葉が突き刺さる。
しかし愛犬をこれだけ想っていても、自分自身の事を考える身勝手な自分がいる事も事実。
このまま愛犬優先の生活を送り、いつか愛犬が亡くなったら?自分には何も残らない。
そんな時にやるべき仕事があれば支えになるのではないだろうか?
そんな風に考えが二転三転した。
夫は私の鬱病再発の心配もあるが、愛犬の留守番を心配している様だった。
そして夫との話し合いの結果、
一度面接に行き、その仕事内容に余程魅力を感じられるか?その他に気になる職場環境や、そして何より大切な残業時間の有無、休日の取り方などを色々と確認し、一つでもダメだと思ったら諦めようという結果になった。
採用される保証なんて一つもないのに、こちらが選択する気になっているなんて厚かましい話である。
そして翌日、私は早速ハローワークに行った。
だが求職の受付でその求人票を渡すと、驚きの答えが返ってきた。
――続きます。
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