ベターな人生
最近ずっと今後の働き方について考えている。
このままでいいのか?と。
ずっと家に引きこもり一歩も外に出なかった頃から考えれば、今は週に2日とはいえ、一応働けているというのはとても有難い事だ。
最初に外に出始めた頃にはどうなるんだろう?という不安と、また社会に復帰出来たという嬉しさが入り交じった不安定な気持ちで過ごしていた。
だがその状況に少しずつ慣れてきた今、更にもっと働きたいという気持ちが強くなった。
正確にはもっと自分の居場所と思える場所が欲しいという感じ。それは以前からずっと思っている。
自分の居場所、それはそれなりに腰を据えて働く事だと思う。
派遣、それも週に2日や、パートなどでいくらその時間を一生懸命働いても、「補助」という枠を超える事はない。
そんな気持ちが強くなっていたところに、先日ある正社員の求人を見つけた。
かなり希望通りの条件だ。
どうしよう。
待っていた募集と言ってもいい。だけどいざそれを目の前にすると、急に不安感が襲ってきた。
多分仕事はこなせそうな気がする。でも過去、いつも躓いてきたのが人間関係だ。これだけの大企業に今更中途採用で入ったとして、私はその輪の中に馴染めるのだろうか?
採用されると決まった訳でもなく、その可能性も低いのに既に先の心配をする私。
不安に打ち勝てず、面接に行くべきかを悩んでいる。
出来上がった世界に一人飛び込むなんて、今の私には無理な気がする。
今の派遣先、近所付き合い、疎遠になっていった友人――どの場所でも上手く人付き合いが出来ていないのに、中途採用なんてハードルが高すぎる。
夫に相談すると、「やめておけ」と即答された。
毎日悶々と悩みながら泣いている姿が既に想像出来ると。そうなったらまた鬱に戻りかねないのだから、折角今慣れてきた派遣の職場を大切にしろ、と夫は言う。
「ベストを望むな。ベターでいいじゃないか」
夫はそう言った。
今の派遣先にはようやく周囲の人に慣れてきたところだ。未だに疎外感はあるし、孤独だと感じる事は多い。だが、その状況に慣れている自分がいる事も事実。それに時々でも社員の人達に、「ころりさんが来てくれて助かるわ」と言ってもらえたりすると、やはり嬉しい。
夫は「それで十分じゃないか」と言った。それ以上望むのは贅沢だと。
高収入を得て、仕事を任され、自分の居場所と思える場所。そんな高望みをするから、いつまでも幸せだと感じられないのだろう。
「まぁいいか」と思える範囲で満足するという事は大切なのかもしれない。
ベターな人生か……。
そう自分を納得させようとしながらも、まだ「面接だけでも行ってみようか」と未練タラタラな私である。
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