入ってこないで
私の小さな楽しみとなりつつあったヨガ。
引きこもっていた私にとって、外で新たな事を始める小さな一歩であった。
インストラクターの印象がとても良く、癒しの時間となっていた。
なのに最近、母からの電話でその楽しみが一瞬で崩れた。
母からのランチやショッピングの誘いを断る為、私は「ヨガに行くから」と口実に使った。
すると母は、「え?どこに行ってるの?何人ぐらい?」と聞いてきたので、しまった、言わなきゃよかった、、、と後悔した。
母は、何でも私と一緒に共有しようとする。躊躇なく。
ヨガの場所を聞かれた時も嫌な予感がしてドキッとした。
だが、場所を聞かれて隠す理由が思い浮かばず、仕方なく聞かれた事に答えた。
そして先日かかってきた電話。
母は興奮気味に、「ころりの行ってるヨガの教室、電話してみたわ!」と嬉しそうに言う。
私は心臓がバクバクし、嫌だ嫌だ、またこのパターンだ、と胸が締め付けられた。
「申し込もうとしたんだけど、今はその時期じゃないんだって。残念よねー。でも次の受付期間に申し込めば、ころりと一緒に通えるわよ!」
母は興奮気味に言った。
なぜ私がどう感じているかを気にしないのだろう。
せっかく嬉しかった自分だけの時間に母が入ってくるなんて。
私は私だけの世界でいたいのに。
もし母が本当に加入すれば、きっと中心となり色んな人に話しかけるだろう。そして私にもそうさせる。
だが私自身は静かにそっと、隅の方でその空間にいるだけでいい。
その方が居心地いいのだから。
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