女性にとって最も大切なことは子供を二人以上産むこと
「女性にとって最も大切なことは、子供を二人以上産むことです」
不妊治療中の人はこれを聞いてどう思うだろう?子なし主婦はどう感じるのだろう?
こうしてこの部分だけ切り取ってみると、あまりにも直接的な発言。
私はこのニュースを見た時、「そんな公の場で言っちゃったのね」と思ったが、現実社会では職場、親戚、親、友人などから、こういった言葉を耳にする事は多々あり、今になって驚いたり憤慨するような感情はなかった。
今までどれだけ同じような言葉を直接言われ、それを聞き流してきたか分からない。
それに、このニュースの校長の言った内容の全文というものをたまたま読んだが、言いたい事は分かる。全てが間違っているとも思えない。
ただ今の時代、差別だとか配慮が足りないと言われてしまうので、なかなか通常はここまで言えないのが普通だろうけど。
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「子供は早く産んだ方がいい」
私は若い頃から母にそう言われてきた。
「早く産めば将来楽になるわよ」と。
だが私は母への反発心もあり、母になりたいと思えなかった。専業主婦で女性は子育てをするのが一番幸せだと言う母に「違う」と示したかった。
だが親戚同士が集まれば、親戚は揃って言う。
「ころりちゃん、早く子供産んでお母さんを喜ばせてあげて」
「仕事なんてやっている場合じゃないわよ、早く産まなきゃ」
母もその頃はまさか私に本当に子供が出来ないと想像もしていなかったのか、
「そのうち出来ると思うわよ」と親戚に言い、叔母達と口を揃えて「やっぱり子供がいる幸せは産んでみないと分からないわよね」と言っていた。
私は今、「幸せだ」と自信を持って言えない。
だが、子供を産んだからと言って必ず幸せになっていたとも限らず、それは分からない。
子供が欲しかったと後悔したり、切なかったりする気持ちは今後もずっと持ち続けると思うが、それと不幸を結びつけるのは少し違うと思う。
私はこの歳になった今でも派遣先などで「まだ間に合うわよ」「今の時代45歳まではまだまだ大丈夫よ」と言われ続けている。
これが現実で、先のニュースの校長が異例だとは思えない。
まだその校長にはその言葉の前後に教育者としてのメッセージがある分マシだとも思える。正しいかどうかは別として。
職場や親・親戚から言われるそれは、それこそ押し付けでしかなかった。
女性にとって一番何が幸せで大切かなんて本人にしか分からない。
人それぞれだから。
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