知りたくない事実
母からの電話を切り、何も考えたくない、忘れてしまいたい気持ちで毛布に包まった。
最近母から頻繁に電話がかかってくる。
この日も、「特に用事がある訳じゃないんだけどね」と前置きをし、数日前に友人の竹本さんの家に行った事を私に報告した。
竹本さん宅と私の実家は、昔から家族ぐるみのお付き合い。
竹本さん宅にも娘がおり、中学3年生の時には、私、竹ちゃん、あと他に二人を含め、4人グループでいつも行動していた。その後、高校が皆バラバラになってしまったが、大人になってからも時々連絡を取り合い誰かの家で同窓会のような事をしていた。
彼氏の事、仕事の事、親の事、色々な事を語り合った。
そのうち私以外の3人には子供が出来、いつの間にか4人で集まる事は無くなり、年賀状のみの付き合いとなった。
環境の変化により、皆が集まらなくなるのは仕方のない事だろう……そう思っていた。
だが私の母は竹本家と家族ぐるみの付き合いをしていた事もあり、今でも竹ちゃんの母親と付き合いが続いているようだった。
先日母が竹本家に行くと、竹ちゃんの母親が言っていたらしい。
「今日は娘が中学時代の友達との同窓会に行ってるの。孫と一緒に出掛けたみたい」
電話で母は私に聞いた。
「カヨちゃんとケイコちゃんに会うんだって。あなた知ってる?」
……中学生の頃、4人グループだった時の二人だ。
母から聞いた情報によると、竹ちゃんは子連れ同士で他の二人と同窓会をするらしい。
私は驚いた。まだ3人では会っていたなんて。
もう皆で会う事はなくなったと思っていたのは私だけで、私の知らぬところで彼女達はずっと会い続けていた事を知った。
私以外の3人には子供がいる。子連れで同窓会。聞くだけで憂鬱だ。
その私の気持ちを察してくれたから?もしくは彼女達自身が私と会いたくないから?だから私を外したのだろうか。
母からの電話で知りたくもない事を知ってしまった。
その上、母も自分の娘が中学時代の友人グループに呼ばれていない事を察し、そんな孤独な娘を持つ母として気分が悪い様子が伝わってきた。
「どうしてあなたは呼ばれないの?」と言われる事がどれ程私を突き落としているか分かっていない。
電話を切った後、毛布に包まりながら思った。
やはり私にはもう友人はいない。
「今日は娘が中学時代の友達との同窓会に行ってるの。孫と一緒に出掛けたみたい」
電話で母は私に聞いた。
「カヨちゃんとケイコちゃんに会うんだって。あなた知ってる?」
……中学生の頃、4人グループだった時の二人だ。
母から聞いた情報によると、竹ちゃんは子連れ同士で他の二人と同窓会をするらしい。
私は驚いた。まだ3人では会っていたなんて。
もう皆で会う事はなくなったと思っていたのは私だけで、私の知らぬところで彼女達はずっと会い続けていた事を知った。
私以外の3人には子供がいる。子連れで同窓会。聞くだけで憂鬱だ。
その私の気持ちを察してくれたから?もしくは彼女達自身が私と会いたくないから?だから私を外したのだろうか。
母からの電話で知りたくもない事を知ってしまった。
その上、母も自分の娘が中学時代の友人グループに呼ばれていない事を察し、そんな孤独な娘を持つ母として気分が悪い様子が伝わってきた。
「どうしてあなたは呼ばれないの?」と言われる事がどれ程私を突き落としているか分かっていない。
電話を切った後、毛布に包まりながら思った。
やはり私にはもう友人はいない。
よく読まれている記事