居ない方がいい存在





最近は芸能ニュースが多かった為、派遣先に行くと休憩中は皆話題に困らない様だった。

しかし先日職場に行くと、ここ最近の芸能の話題はどこかに消え去り、パート主婦達の間での話題の中心は、例のスキーツアーバス転落事故の件であった。

多くの若者達が命を落とし、このツアーに参加したばかりに……と、全く無関係の私のような者でさえ残念に思う。ニュースを見ながら、夫と「まだ若いのに可哀想だね」と話していた。

子供がいない私でさえそんな気持ちになるこのニュース。
同年代の子供を持つパート主婦達は、感情移入し過ぎて涙ながらにその話題で興奮していた。

「子供は悪くないわ。うちの子だっていつも安いツアーを選ぶもの」
「私は子供にツアーで行くのはやめるように言ったわ」

最初はそんな風に、ツアー事故に対する直接的な意見を言っていた。
だがその話が徐々に横道にそれ、その亡くなった子達がどこの大学に行っていたらしい、という話題に変わっていく。

「皆それなりの大学に行ってる子ばかりじゃない?勿体ないわよね」
「親としてはここまで育てたのにショック過ぎるわよ」
「出来ない子ならまだしもね」

最後の言葉はさすがに皆もどうかと思ったのか、誰も返事をしなかった。




この会話が始まった時――いや、始まる前から、また子供を持つ母達の中で疎外感を感じる時間になる……と気持ちが落ちていた。きっと今日は主婦達がこの話題になるだろうと分かっていたから。

しかし内容が内容だし、子供がいる、いないに関わらず誰もが何かしら感じるニュースでもある。だからこそ私も私なりに、最初は相槌を打ったり、共感する発言もした。

だが、皆の会話が「事故」という視点より「大学生の子供を亡くした」という視点の方が強くなり始めた為に、私は次第に無口になった。

やはりそういった話題には入っていけない。

そしてその時に一人の主婦が言った。
「やっぱり私達って、同じ年頃の子供を持ってるでしょ?だから凄く親としての気持ちが分かって辛いわよね」


こんなセリフを聞いてしまえば、私はどういう顔をして座っていればいいのかさえ分からなくなる。

その主婦は子供がいない私に嫌味で言っている訳ではない。ただ言葉通り、親としての気持ちを他の主婦達と共感したいだけだ。
それは十分分かっていたが、そんな「親として」の会話が続くと、私はこの場に居ない方がいいんじゃないか?という気がしてくる。





***Ranking***
にほんブログ村 家族ブログ 舅・姑・小姑へ
にほんブログ村 主婦日記ブログ ひきこもり主婦へにほんブログ村 主婦日記ブログ 40代主婦へ



***another blog***






関連記事
Posted byころり
よく読まれている記事