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探り合い

ころり

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年明け初めの出勤の日。

今年もこの馴染めていない職場に行くのか。今年こそは辞めてしまいたい……年が明けても昨年と変わらない重い気持ちで派遣先に行った。

皆まだ正月気分が抜けていない様で、どこか仕事にもまだ身が入らない様子。
それよりも年末年始にあった非日常の出来事を主婦同士で報告し合うのが楽しそうだった。

子供が小さい主婦は、学校が冬休み中なので休日を取り、まだ出勤していない人も多い。正月明け早々から出勤しているのは、大抵が子供がもう高校・大学生・社会人だったりするような、私と同年代かそれ以上の主婦がほとんどだ。

子供が大学生や社会人で、日頃一緒に住んでいない人達は、子供が久々に帰省した事が嬉しくて誰かに話したくてウズウズしているのが伝わってくる。

「久しぶりに息子が帰ってきたらお米の減る量が違うわよ」
「子供がいると適当な食事で済まないし正月も休んだ気がしないわよねー」
「帰ってきた娘の化粧が派手になっていて驚いたわよ」

どれも取り留めのない話。
だがそんな中でポツリと一人、黙って座っているのが居心地悪い。

どの主婦もそうだが、子供の話となると夢中になって話が止まらない。
この日も正月の話で終わるのかと思えば、話題は受験や就職の話になっていき、

「うちの娘の偏差値で行ける大学なんてあるのかしら」
「そんな心配するような成績じゃないでしょ?あなたの娘さん、賢いって聞いてるわよ」

「うちの息子はもう大学3年だから、就職出来るのか心配で」
「またそんな事言って!あれだけいい大学に行っているんだから余裕でしょ!」

表面的に互いの子供のフォローやお世辞を言いながらも、どこかで探り合いをしているようにも見える。

結婚して妻になると、夫の学歴や収入などで妻が評価されてしまうように、子供がいればいるで、これもまた子供の大学・就職先で母が評価されてしまうのだろうか。
見ていて大変だな、と思う。

そして大変そうだと思いながらも、そんな会話に全く入れず、時には話している意味さえ分からない自分。最近の子育て事情なんて全く知らないから。

こんな時、あまりにも黙って俯いているのも鬱陶しいかと思い、時々無理にでも相槌を打つ時もある。

「へぇー、大変そうですね」
「息子さん、賢いんですね」


私なりに精一杯、子あり主婦に合わせて相槌をうっているつもりだが、相手も私が無理をしているのを感じている気がする。一瞬私を見て目配せしてくれたりはするが、私では相手にならない為に、続けて子あり主婦同士で盛り上がる。

こんな時が一番虚しい気分になる。

話題は成人式の内容になっていた。

成人式も子あり主婦にとっては一大イベントらしく、とても嬉しそう。
今年成人式を迎える子を持つ親だけでなく、まだ高校生の子の親、既に済んだ社会人の子の親も同じように成人式の話題で興奮する。

「やっぱりあれは女の子の為のイベントよね」
「そうそう!息子なんてスーツだから愛想なくって」
「振袖っていくらぐらいだった?レンタル?それとも買ったの?」

互いの情報交換で必死という感じ。

聞いていると、最近の女の子は前撮りをするのが当たり前で、1年も前に前撮りし、本番に別の振袖でまた写真を撮ると言う。
ある人は娘がどうしても3回着たいという為に、3着の振袖をレンタルしたと言っていた。

その横で、「うちは買ったので1着しかないわ」と言う主婦に、皆一斉に「いくらだった⁉」と詰め寄る。

遠慮がちに「……う~ん、100万ぐらいはしたかな」とその主婦が答えると、

「キャーッ!高―い!金持ち!」という皆の羨みと妬みが混じった歓声が起きた。


――子あり主婦。やはり大変そうだ。
居場所がなくて聞いているのが辛かったが、だからといって私に子供がいたら仕方なくこんな会話に入り、心のどこかで対抗心を燃やしていたのかもしれない……
それを想像するだけで私には無理そうだと思った。




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Posted byころり