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親孝行

ころり

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実家の母から初売りセールに行きたいと電話がかかってきた。

私は昨年末にバーゲンセールに行った時、もうこんな混雑時には来るまい、次は静かになった頃に一人ひっそり買い物しようと思っていたのに。

それに何より、折角今年の正月はしばらく母の顔を見ずに気楽に過ごせると思っていた。
こんな風に連絡があり、「母に会う」というだけで何か重苦しい気分になる。

この日も決して嬉しくはなく、やはり頭の片隅で「重いな」と感じる自分がいた。
だがその反面、ここ最近自分の中で変化を感じているのも事実。

親孝行が出来るのは今のうちだと思う様になった。遅すぎるかもしれないが、この年齢になってようやく。
誰もがそう考え、当然の事なのだろうけど、今までの私は素直にそう思う事さえ出来なかった。親孝行どころか、親と関わりたくない気持ちばかりだったから。


だがこの日、正月早々の母からの電話で負担だと思いながらも、こんな些細な事ぐらい親孝行だと思えば何て事はない、と自分に言い聞かせた。


そうして、三が日が過ぎてもまだまだ正月の空気が残るショッピングモールに母と二人で行った。

まずは会ってすぐにランチした。







いつもの事ながら母はよく喋る。一人でずっと喋っている。
そんなに堰を切ったように焦って話さなくても、私はどこにも逃げないよと言いたくなるぐらい、興奮して喋り続ける母。

そんな母を見ていると、もしかして私の心が母に寄り添っていない事をどこかで感じていて、必死に私に何かを訴えているように思えてくる。母は母なりに、誰かに自分を分かって欲しいと求めているのだろう。

まるで私自身を鏡に映して見ているようだった。

「何か欲しい物買ったら?」と私は言った。
折角初売りセールにやってきたのだ。服でも見ようと私が誘うと、嬉しそうに色々な洋服を物色し始めた。

「これどう?若すぎるかな?」
「お腹周りがパンパンでダメね」

ケタケタと笑いながら何度も試着する母はまるで子供のようにはしゃいでいる様に見えた。

考えてみればこうして母とショッピングするなんて、15年ぶりぐらい……いや、もっと経っているかもしれない。
若い頃には母とよく、こうしたショッピングに一緒に出掛けた。あの頃を思い出しながら、今目の前で久々に嬉しそうにしている母を見ていて罪悪感にかられた。

あれから長い間、母を遠ざけ続けた。母はきっと寂しかっただろう。


――続きます。





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Posted byころり