イジワル
最近派遣先に入った女性、全く私と合わない。仲良くなるのは無理だと思う。
仕事に行っているのだから、仲良くなる必要なんてない。そう分かっていても、明らかに他の人への態度と違った対応をされると、「気にしない、気にしない」と言い聞かせている自分が思いっきり気にしている事を実感する。
今日も、久々に彼女と会う日だった。
会社での一日は気を張っているからか、それ程自覚はなかったが、帰宅後に急に胸が悪くなり、嘔吐してしまった。全く食事が出来ない。やはりストレスに感じてしまっているのか?こんな事ぐらいで弱音を吐いていてどうする?しっかりしろ!と自分を叱咤するが、何か胸に重い石が入っているかのように息苦しい。
彼女が来る前から、今の会社では皆に馴染めていなかった。どこか私はよそ者扱いで、自分自身も無理に仲間になろうとしなかった為、時には傷つく態度や言葉を受けた事もあった。
だが、後から入った自分、時々会うだけの自分、だから皆と違うのは仕方ないと何とか諦める事が出来ていた為、今まで辞めずにズルズルと続いていたんだと思う。
しかし最近入った、私と同じ派遣女性の態度が気になって仕方がない。
私は彼女が苦手な為に、仕事以外はなるべく必要最小限しか彼女と会話しない様にしている。彼女からも私に直接話しかけてくる事はない。
そんな関係なのだが今日、ある女性社員Aさんが私に話しかけに来てくれた。
彼女は優しく温厚で、誰かと群れるタイプではないが、誰からも好かれているような憧れの女性だった。この会社の中で、数少ない私が好きな人物だと言える。
普段は外回りをしている為、私と関わる事はほとんどない。だが、先日「もっと強く言わなきゃ」とアドバイスしてくれたのも彼女だ。
そんな彼女が珍しく昼休憩に社内に居て、食後に一人でデスクに座っていた私に近付いてきた。そして何て事のない世間話をし始めた。最近あったニュースなど。
一人座っている私を可哀想だと思い気遣ってくれたのか、又は彼女らしく何も意識せず自然に話しかけてくれたのかもしれない。
どちらにしても、私は彼女となら気負わず話す事が出来るので、久々に女性と楽しく談笑できて嬉しかった。
その時、背後から急に例の新人派遣女性が寄ってきて、
「あ!その話私も知ってますよ~!」と言いながら、どんどん会話に入ってきた。
私は折角穏やかに話せていたのに、派遣女性が入ってきた事で気分が悪かった。
「邪魔された」
そんな風に感じた。
だが私はそれを表に出さず、派遣女性にも同じように話しかけた。だが、派遣女性は明らかに私と目を合わさない。私が話しかけた内容に対しても、Aさんの方に向かって返事をしたり、「Aさんにだけ」話しかける。その態度に傷つき、私は一瞬にして口数が減った。
しかし無表情になっては気にしている事を悟られてしまう。私は笑顔だけは崩さなかった。
Aさんはこの状況に気付いてくれてるのだろうか?どう思ってる?
そんな事を思いながら様子をみていたが、Aさんは全く困った様子もなく、派遣女性と一緒に、「そうそう!あるよね!」と、意外にも意気投合している。
その様子を見て私は内心慌てた。唯一話しやすいAさんまでが私の苦手な派遣女性と仲良くなってしまう。まるで子供の発想だが、大袈裟に表現すればAさんを奪われるような気分になった。
私が好きな人には、私が苦手な人を同じように苦手になって欲しい。
そんな身勝手で子供っぽい心理が私の中にあった。
なんて小さな人間なんだろう。
そして、Aさんが派遣女性と仲良く話しているのを見ていると、私はAさんに対して心を閉ざしていくのを感じた。
そしてやはり、この派遣女性が上手く話を盛り上げ、誰とでもすぐに仲間になっていくのが羨ましかった。
もし彼女が私にも普通に接してくれたらどれだけ気分が楽になるだろう。
私だけが彼女から目線をそらされるのが、何て事のない様でいて、地味に私の心を落ち込ませる。
「邪魔された」なんて思ってしまう私の中のイジワルな部分が、相手に伝わっているのだろうか。彼女の事を嫌だと思う度に、自分の事も嫌になってしまう。
こんな歳になってまでこんな事を悩むなんて……。
子供の頃と何一つ変わっていない。
しかし無表情になっては気にしている事を悟られてしまう。私は笑顔だけは崩さなかった。
Aさんはこの状況に気付いてくれてるのだろうか?どう思ってる?
そんな事を思いながら様子をみていたが、Aさんは全く困った様子もなく、派遣女性と一緒に、「そうそう!あるよね!」と、意外にも意気投合している。
その様子を見て私は内心慌てた。唯一話しやすいAさんまでが私の苦手な派遣女性と仲良くなってしまう。まるで子供の発想だが、大袈裟に表現すればAさんを奪われるような気分になった。
私が好きな人には、私が苦手な人を同じように苦手になって欲しい。
そんな身勝手で子供っぽい心理が私の中にあった。
なんて小さな人間なんだろう。
そして、Aさんが派遣女性と仲良く話しているのを見ていると、私はAさんに対して心を閉ざしていくのを感じた。
そしてやはり、この派遣女性が上手く話を盛り上げ、誰とでもすぐに仲間になっていくのが羨ましかった。
もし彼女が私にも普通に接してくれたらどれだけ気分が楽になるだろう。
私だけが彼女から目線をそらされるのが、何て事のない様でいて、地味に私の心を落ち込ませる。
「邪魔された」なんて思ってしまう私の中のイジワルな部分が、相手に伝わっているのだろうか。彼女の事を嫌だと思う度に、自分の事も嫌になってしまう。
こんな歳になってまでこんな事を悩むなんて……。
子供の頃と何一つ変わっていない。
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