許されない密葬





ある日、ポストに訃報のお知らせが入っていた。近所に住む高齢の女性が亡くなったらしい。

だが、私は全くその女性の事は知らないし、近所ではあるが住む家もどこなのかよく知らない程だ。

私の感覚では全く知らない人であれば、近所に住んでいるとはいえ、通夜や葬式に行く必要はないと思う。この考え方も私が人を遠ざける原因なのだろか。

しかしそんな私の考えをよそに、この地域では近所で誰かが亡くなれば、関わりのない人であっても必ず通夜もしくは葬式に行かなくてはならない。

多くの人がお焼香に来るのだから、自分一人が行かなくても分からないのでは?

最初の頃はそんな事も思ったが、それは違った。

自治会の役員達が確認する為、後々「〇〇さんは来ていなかった」と言われる事となる。

通夜に行くかどうかなんて個人の自由。そこまでしてチェックするものではないと思うが。

だがこの地に長く住む私は学習し、文句を言われないように訃報が見も知らぬ人であっても必ず参列する様にしている。

先日もまたお通夜に弔問した。


そこでも自治会の役員達が中心となり葬式を取り仕切っていた。
その様子は生き生きとしているようにさえ見えた。

私は不安になった。

もし夫に先立たれたら?
この地域で私一人で葬儀を行わなくてはならない。
その時、この役員達は放っておいてはくれない。ズカズカと葬式を仕切り、意見を言われるのだろう。こちらが頼んでいないというのに。

以前、近所の人に聞いてみた事がある。

「密葬でするので結構ですと、自治会からのお手伝いを断る事もあるのでしょうか?」

すると、「そんな事したら後々まで陰口言われるわよ」と返された。

どんな時でも人との関わりから逃れられない。

葬式の心配なんて気が早すぎると思われるかもしれないが、こればかりはいつどうなるか分からない。あんな風に張り切って手伝いをしている自治会メンバーを目にする度に、この地で葬式をする事への負担を感じてしまう。
だから夫には申し訳ないが、夫より先に私が逝きたいと心から願う。




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Posted byころり