美容室の苦痛





久々に美容院に行った。

昔から美容院は苦手だ。どうしてあんなに一生懸命話しかけてくれるのだろう。こちらはただ髪を切ってくれればいいだけなのに。

苦手意識でどんどん美容院から遠ざかり、気付けば前回美容院に行ってから、半年以上も過ぎていた。これが限界だろう。

前回初めて行った美容室のカットが上手かったので、今回もまたその美容室に行く事にした。

前回担当してくれたのは、まだ若い20代であろう女性。
指名制なので、今回も彼女を指名して予約した。

予約時間にその美容院に入っていくと、やたら高いキーで「いらっしゃいませ~」と一人の第一声があり、それに続いて他のスタッフが一斉に「いらっしゃませ~」と店内に響く。

そう、この美容院、カットが上手いのは気に入っているのだが、それ以外は私の苦手な「今どき」のお洒落なハイテンションな美容院なのだ。

早速カウンセリングが始まり、担当が「最近の髪の調子はどうですか?」と質問しながらカルテに記入し始める。

内心、そんな事はどうでもいいから早くパーマやカットを進めてくれと思いながらも、このボサボサ頭になるまで放っておいたこちらも少し恥ずかしさがあり、「忙しくてお手入れがなかなか出来なくて……」と、言い訳のような事を言ってしまう。

さっそくシャンプーやパーマの準備が始まるのだが、その辺りから私の苦手な「会話」もスタートする。

「今日はお仕事お休みですか?」
「どんなお仕事されているのですか?」
「お休みはどこに遊びに行かれるのですか?」


聞かれて嬉しい質問など何一つない。

だが美容院でまで具体的に答える必要はないだろうと思い、適当に

「今日は有休で」
「普通の事務員です」
「近場でショッピングかな」

という感じで受け流す。


相手も若いなりに必死に話を繋ごうとしているのが伝わってくる為、こちらも何か話題を考えないと申し訳ないような気分になり、一応膝には雑誌を広げているものの、とても読めるような雰囲気ではない。

その上、この美容院はネイルサロンを併設していて、ヘアサロンのエリアのすぐ横で若い女性達がネイルをしてもらっている。

私はネイルをしてもらった事がない。

だから彼女達の様子に少し興味もあり横目で見るのだが、彼女達は向かい合ってその作業をしているからか、ずっとおしゃべりしっ放し。
若い同年代のネイリストと客だという事もあり、以前からの友達のように大笑いで盛り上がりながら会話している。

そんな大声の笑い声を聞きながら、私もその近くで髪の手入れをしてもらっていると、なんだか負けずとこちらも話を盛り上げないと、私を担当してくれている子がつまらないんじゃないかと気を遣う。

なので頑張ってこちらからも、

「この仕事、長いのですか?」
「残業とか多いの?」
「お休みはどこへ?」

と、結局自分にされた質問と似たような事を聞き返し、何とか共通の話題はないかと探ってみる。

だが年代の差は大きい。

どう頑張ってみても、母と子ぐらいの年齢差なのだ。
そして私が本当の子持ちなら、それぐらいの年齢の子が興味を持つ事が分かるだろうが、子なしの私には若い世代が何を考えて生きているのか全く想像も出来ない。

結局、後半にはお互い気まずいまま沈黙になり、隣の席で盛り上がっているキャッキャと笑う声を静かに聞くだけになる。

ようやくカットまで終わり、合わせ鏡で「いかがですか?」と確認させてくれる頃には、やっと終わった……と、苦痛の時間が終わった安堵感でいっぱいだ。

とはいえ、やはり今回もカットがお洒落で上手かった。顔が地味で髪型に追いついていないと言われればそれまでだが、一応女性なので、少しの間でも綺麗な髪型になれると嬉しい。

やはりしばらくあの美容院に通ってみようと思う。
苦痛の時間は耐えるしかない。




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Posted byころり