憧れマンション





最近また近所の井戸端会議が多くなった。

立ち話をするのに丁度良い季節なのだろう。真夏や真冬にはあまり長時間の井戸端会議を見かけないのでこちらの心も落ち着くが、今の季節は子供は道路で走り回り、井戸端会議をしている母親達の笑い声も心に突き刺さる。

いつもの事、毎年この繰り返しだ、そう言い聞かせて何年も過ぎてきた。

だが、特に最近気分が落ち込むのは、今まで一匹狼的に見えた一人の母親が、その井戸端会議に馴染んでいるのを見かけるから。

今ではすっかり近所の主婦達に溶け込んでいる。その変貌ぶりを見るたびに私の心は沈む。

彼女のような一匹狼がいたから、子なしで孤独な私も少しは救われていたのに。

やはり彼女のような一匹狼も、子供が成長し学校行事に頻繁に参加するようになると自然と交流がうまれてくるのだろう。又、自分から近寄ろうとしなくても、子供を通してその繋がりが出来てくるのかもしれない。

何年もこの地に住みずっと孤独に見えたあの人が、あんな風に今更皆に打ち解けていく様子を見ているのが辛い。やはり子供がいるという共通点は大きいと思い知る。

子供がいない人生を送ると決まった今、この地にずっといたくないという気持ちが更に強くなった。

私は以前から、夫婦二人暮らしならマンションの方が良かったのではないかと思っていた。

以前、マンションに住む知人のお宅を訪問した事がある。






人によるのかもしれないが、その知人は隣の住人と挨拶をする程度で、何をしている人かも全く知らないし会話らしい会話をした事が無いと言う。井戸端会議なんてやるような場所もないと言っていた。

さらにその知人のマンションは高級マンションだった為、室内も本当に素敵だった。25畳程のリビングがある3LDKで角部屋。110階だった為に窓もカーテンを開け放って全面に空が見えた。
訪問したのは冬だったが、エアコンがなくてもその大きな窓から入る日差しだけでポカポカと暖かかったのを覚えている。

そして何より感動したのが、全く外の音が聞こえなかった事。

私は今まで近所の人達の声や音が一日中耳に付き、それがずっとストレスであった。

だが知人のマンションは本当に物音一つしなかった。

私は驚き、「上の階の人の足音とか、ペットを飼ってるお宅の鳴き声とか、聞こえる事ない?」と聞いたが、彼女の返事は「そうねぇ……耳をすませばもしかしたら少しは聞こえるのかもしれないけど、気付いた事がないわ」という事だった。

これを聞いて帰宅した日、

「いつかマンションに引っ越ししたい」と、私の頭はそれでいっぱいになった。

高級マンションでなくていい、近所を気にせず静かに暮らせる空間に住みたい。
だが引っ越しをするお金はどこにもない。マンションの管理費等を払い続ける経済力もない。

この先もずっと憧れ続けて終わるのだろう。




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Posted byころり