私の事が心配ならそうして欲しいという頼み方

実家の隣人
実家から帰る時、玄関を出ると近所の人と目が合った。
斜め前に住む人で、母と同年代の主婦だ。
母は近所付き合いを親密にしているが、私は子供の頃から近所の人と会話をする事はほとんど無く、いつも母の後ろに隠れているような子供だった。
この日はその近所の人と目が合ったので、こちらから会釈をした。
すると玄関から出てきた母が私の手を引き、玄関の中まで連れ戻した。
「何?」
イライラした。
また何を言われるのか…ドキドキした。
母を思う気持ちがあるのなら
「今、山口さんが外にいたでしょ?」
「うん、だから?」
「挨拶した?」
「会釈しておいたわよ」
すると母が言った。
「あのね、もしころりがお母さんの事が心配だったら、山口さんに「母をよろしくお願いします」って挨拶してくれてもいいのよ」
あー、また出た。
「あなたが母を思う気持ちがあるのなら○〇して」という母の言い方。
これ、自分で言う?
でも母は昔からそうなのだ。
そしてアダルトチルドレンな私は、母にそう言われると自分がそうしなくてはいけないと思い常に母の言う通りにしてきた。
だがもう操り人形は限界。
私の事をお願いしておいて欲しい
「そんなのわざわざいいわよ。じゃあ帰るわね」
軽く受け流し帰ろうとした。
すると背後から母の声が聞こえた。
「○○さんの娘さんは実家に来る度にご近所に挨拶に行くって言ってたわよ」
だが私は無言で手を上げ、そのまま振り返りもせずにその場を去った。
実際、母の言うとおりかもしれない。
よく出来た息子や娘なら、わざわざ近所にも挨拶に行くのだろう。
しかしそれも子が遠方に住み、普段滅多に来られないとか、又は親が80代の高齢だとかなら分かるが、母はこのセリフを60歳ぐらいからずっと言っている。
「私は一人暮らしだからご近所さんにお願いしておいて」
聞き飽きた。
何よりもそんな事を言いつつ、「私はいつ死んでもいい」と会う度に言う母に矛盾しか感じない。
よく読まれている記事