ストーカー疑惑
犬の散歩途中で、最近初めて見かける人がいた。
私より少し年上に見える女性で犬を連れているのだが、いつもある一定の場所で立っている。そして、時には同じような犬連れの主婦と楽しそうに会話している姿も見た。
私が今まで知らなかっただけで、この辺りに以前から住んでいる人なのかもしれない。
だが、いつ見かけても大きな声でまくしたてる様に早口で話しているし、かなりテンション高めな女性のようなので、私は関わらぬように知らぬ顔をして通り過ぎていた。
だがある日私が犬の散歩に行くと、いつも私が会えば挨拶する主婦とそのハイテンション女性が立ち話をしていた為、私は完全に無視するのも悪いかと思い、知った顔のその主婦に向かって会釈した。
すると、その知った顔の主婦の方ではなく、ハイテンション女性が私に「キャーッ!」と言いながら近寄り、「なんて可愛いワンちゃんなの!」と言いながら私の愛犬を撫でまわした。もちろん愛犬を褒めてくれたり可愛がってくれるのは有難いがこの人の場合、こちらが引いてしまうぐらいなんだか興奮度合いがおかしいのだ。
ひたすら「ワーッ!」「キャーッ!」「凄いーっ!」と騒ぎ立てていたが、うちの愛犬もさすがにその勢いにビックリしたのか尻尾を巻いて後ずさりしており、思わず苦笑した。
変な人だなぁ。
でも私の知っている主婦とも会話している様子だったので、別段問題のある人でもないのだろう。だがあまり深入りしないでおこう、そう思いながら「それではお先に……」と声をかけ私はその場を離れた。
それからしばらくしたある日、またその女性が犬連れで立っているのを見かけた。その日は誰とも会話しておらず、一人と一匹だったが、そこを動く気配もなく、まるで誰かを待っているかのようにずっとその場に立ち尽くしている。
何となく嫌な予感はしたが、家に帰宅する為にはハイテンション女性の前を通り過ぎるしかない。仕方なくそのまま歩き進め、一応先日顔を合わしたので「こんにちは」と挨拶だけしてそのまま通り過ぎようとした。
すると「あ!この前お会いしたワンちゃんですよね!!」と早くも興奮した声で駆け寄ってきた。
「わーホント可愛いわ!あのね、あのね、うちの子も本当に可愛いでしょ?いつもね、手入れしてるんですけどね、最近毛が抜けてね」
語尾に「ね」が多い人だなぁと思いながら、やや笑みを浮かべながら黙って聞いていた。こちらの話す隙などない。
所々で何とか「そうですよねー」「分かりますよー」と適当な相槌を入れつつ、こちらは早くこの場を立ち去りたい気持ちでいっぱい。
とにかくハイテンション女性の声が大き過ぎて、近所中に響き渡ってるんじゃないの?と思えて恥ずかしかった。
何とかタイミングをとり「それでは……」と犬を引きずっててもその場を去ろうとすると、なんと彼女、
「あ、お家、そっちの方ですか?私も一緒に行っちゃおーっと!」と言いながら、自分の犬を引っ張りながら私について来るではないか!
嘘、まさか家まで?やっぱりちょっと変わった人ではないか?
でも来るなとも言えないし。さすがに家の前まででなく、途中で別れてくれるのかもしれない。
微妙な気持ちではあったが、仕方なくそのまま私は自宅に向かった。その道中、ずっと彼女は嬉しそうに喋りっぱなし。
そして出来れば途中で離れて欲しかったが、残念な事に私の自宅前まで来てしまった。
「あ、あのここが家なので、それじゃ」と言ってそそくさと家に入ろうとすると、「待って待って」と追いかけてくるハイテンション女性。
そして「お名前、教えて下さい」と言う。
ん?どっちの?
私のなのか愛犬の名前なのか?
そう聞き返すと「どちらも知りたい」と言うので断る理由も見つからずそのまま伝えた。
名前一つ教えただけで、また「わー!素敵なお名前!」と興奮する彼女。やっぱりついていけない。
これ以上何も聞き出されないようにと、逃げるように「それじゃ」と玄関ドアを開けると、まだ背後から声をかけられた。
「是非今後お友達になって下さいねー!」
こんな風に言ってもらえて喜ぶべきなのか……とても無理そうだけど。
どんな人でも友人になってくれたら嬉しいと思っていたが、やはり自分の理想とする友人像がある事に気付かされた日だった。
少なくともそのハイテンション女性とは友人になれそうもない。
何とかタイミングをとり「それでは……」と犬を引きずっててもその場を去ろうとすると、なんと彼女、
「あ、お家、そっちの方ですか?私も一緒に行っちゃおーっと!」と言いながら、自分の犬を引っ張りながら私について来るではないか!
嘘、まさか家まで?やっぱりちょっと変わった人ではないか?
でも来るなとも言えないし。さすがに家の前まででなく、途中で別れてくれるのかもしれない。
微妙な気持ちではあったが、仕方なくそのまま私は自宅に向かった。その道中、ずっと彼女は嬉しそうに喋りっぱなし。
そして出来れば途中で離れて欲しかったが、残念な事に私の自宅前まで来てしまった。
「あ、あのここが家なので、それじゃ」と言ってそそくさと家に入ろうとすると、「待って待って」と追いかけてくるハイテンション女性。
そして「お名前、教えて下さい」と言う。
ん?どっちの?
私のなのか愛犬の名前なのか?
そう聞き返すと「どちらも知りたい」と言うので断る理由も見つからずそのまま伝えた。
名前一つ教えただけで、また「わー!素敵なお名前!」と興奮する彼女。やっぱりついていけない。
これ以上何も聞き出されないようにと、逃げるように「それじゃ」と玄関ドアを開けると、まだ背後から声をかけられた。
「是非今後お友達になって下さいねー!」
こんな風に言ってもらえて喜ぶべきなのか……とても無理そうだけど。
どんな人でも友人になってくれたら嬉しいと思っていたが、やはり自分の理想とする友人像がある事に気付かされた日だった。
少なくともそのハイテンション女性とは友人になれそうもない。
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