みんながいて安心する人、みんながいて怖い私

犬の散歩から帰ってくると、玄関先で近所の主婦と会った。
年齢は私の親世代だが、この近所の中ではまだ話しやすい女性。
しかしここしばらく見かけなかったので、もしかして入院でもされているのかと思っていた。
だが、「ころりさん、久しぶりね」そう声をかけられ、「最近見かけなかったので病気でもされたのかと思っていましたよ」と、逆に相手からも言われてしまった。
お互い同じ事を思っていたらしい。
この場所を選んで良かった
それで天気やコロナ、ウクライナの話題などの流れから、震災の話しになった。
「最近は地震が多いから、いつどうなるか分からないわね」
その主婦がそう言うので私も頷くと、続けてその主婦が言った。
「でもこの土地で良かったわ。何かあってもみんなで協力し合えるから安心よね」と。
さらに、「他の場所だとここまで密接な繋がりが無いでしょう?私ね、本当にこの場所を選んで良かったと思ってるのよ」と続けた。
避難場所に行くのが怖い
私は「そうですね」と言ったものの、きっと表情はぎこちなかっただろうと思う。
この場所に住んで良かったなんて…思った事は無い。
密接な繋がりのある地域で良かったなんて…思えない。
これだけ災害への不安が高まってきた時代でも、やはり近所付き合いが疎ましく思ってしまう。
さらに私以外の多くが親しく付き合いをしているこの地域。
正直、災害に遭っても避難場所に行くのが怖い。そんな時でさえ皆の中に入っていくのが怖い。
しかしそんな本音を隠し、「そうですね、良い地域で良かったですよね」という会話をしてその主婦と別れた。
この先私も年齢を重ねれば、この地域の有難みを実感するのだろうか。
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