これぐらいでと言われて頷くしかない

これぐらいで
意外な展開になった精神病院での受診。
今後も少しお世話になってみようかと思ってはいるものの、転院する可能性はほぼ無いと思う。
生い立ちを詳しく聞かれる私がオドオドとしながら現在の不調を少し話すと、医師はパソコンの画面を見つめたまま言った。
病院に行く前から、そもそも私のような者がこの精神病院を受診して良いものかどうか…と迷っていた。
ただの甘え。気の弱さ。
これぐらいで予約でいっぱいの病院に、割り込んでまで診察をしてもらうのは迷惑ではないか。
ずっとそんな思いだったのだが、受診してみて医師との会話からそれを改めて感じた。
その女性医師には何度か、「これぐらいで」という言葉を言われた。
この程度の事で恐れていてどうする。
この程度の事で悩んでいてどうする。
来るべきではなかった
ハッキリと物を言う医師なので、他にも色んな事をズバズバと言われてしまったが、私は傷つくというより「やっぱり」という気持ちだった。
医師から見ればこれぐらいで受診するなんて迷惑な患者なのだ。
私は情けない気持ちでいっぱいになった。
「これぐらい、それぐらい」と言われてしまうと、歯医者の椅子に座るだけで震えてしまう事など情けなくてとても言えない。
子宮筋腫にしても、「私なんて大量出血でも我慢したわよ」と言われてしまい、やはり「それぐらい」と言われ「そうですね」としか言えなかった。
そしてこのまま一回の受診だけで二度とこの病院には来れないと思った。
医師が薬では解決しないと言っており、自分の考え方次第だと言うのだから、これ以上病院に来る意味がない。
私は「そうですね」「分かります」と医師の言葉に何度も頷いた。
認知行動療法を提案
すると診察の最後に、医師が認知行動療法を提案してきた。
この病院で専門医が行ってくれるらしい。
医師は、「希望すればだけど」という感じだったが、私は以前から認知行動療法を試したいと思っていたし、これはよい機会だと思い迷わずお願いする事にした。
それが終了すれば、この病院への通院も終わり…となるらしい。
それで、薬は今までの心療内科で、認知行動療法はこの精神病院で、という事になった。
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