予想外の方向に話が進む

――前回の続き。
2月に問い合わせた精神病院。ようやくその予約日となり、病院に行ってきた。
生い立ちを詳しく聞かれる
私がオドオドとしながら現在の不調を少し話すと、医師はパソコンの画面を見つめたまま言った。
「まず家族構成教えて」
同居している家族だけでなく、兄弟や親の事まで詳しく質問された。
何歳なのか?どこに住んでいるのか?仕事は何をしているのか?関係は良好なのか?などなど。
心療内科でここまで細かく家族関係を聞かれたのは始めて。
そもそも私は今目の前にある不安を相談に来たつもりだった。
病院に行く度にパニックになったり恐怖心で倒れそうになる。
その為の薬の飲み方をアドバイスしてもらったり、恐怖心を理解してくれる医師に話を聞いて欲しいと思っていた。
だがそんな話はスルーで、この医師はとにかく私の生い立ちをとことん聞いてくる。
それで私は気付けば自分はACだという話をしていた。
子供の頃から親の顔色を伺いながら生きてきた事。
親の望む娘でなければならないという考えから逃れられない事。
さらには仕事などの人間関係でも常に躓き、他人に感情をぶつけられない事などまで、このブログにいつも書いてきたような事を長々と話す事になった。
こんな相談をするつもりなんて全く無かったのに。
私の問題はそこ
私一人が勝手に話したのではない。
医師が次々と的を得た質問をしてくるのだ。
相変わらず口調や雰囲気は苦手だったが、今までの医師とはアプローチが全く違う事に驚いた。
そして医師が言った。
「あなたの問題はそこよ」
持って生まれた気質もあるが、今までの環境や関わってきた人達により私という人間が出来た。
「そんなものは薬では治らないわよ」とも。
過去は変えられない。
自分の考え方、受け止め方を変えなければいつまでも解決しないと。
言われる一言一言に頷いた。
自分でも分かっていた事だし、分かっていても変われないのだけど。
それにしてもまさか予想外な方向に会話の内容が進み戸惑いもした。
私が元々相談したかった恐怖心の事に話を戻してみたが、医師はそれもこれも含めて、私の「神経の細さ」を指摘している。病気の事も家族関係も対人関係も。
診察が終わり、気付けば1時間程経過していた。
今までの心療内科でここまで長く診察を受けた事も無かった。
最初は医師の雰囲気に圧倒され、これっきりだな…と思っていたのだが、診察の後半では少しお世話になってみようという気持ちになっていた。
これぐらいで意外な展開になった精神病院での受診。
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