いつの間にか子犬が愛犬になっていた

子犬の去勢手術の日。
去勢手術なんて簡単なもの。
昔、愛犬の時にはそれ程心配もせず無事終わった。
なのに今回は心配で不安で仕方がない。
私自身のメンタルが弱っているからか、自分の事のように怖くて朝から落ち着かなかった。
そして何より怖がりで繊細で、まるで私の分身のような子犬。
こんな子が手術をされて精神的にどうなってしまうのか心配だった。
それで医師からの提案で、通常は朝から預けてお昼に手術、夕方にお迎えという決まりなのだが、うちの子犬は手術直前に連れて行く事となった。
午前中から手術までの数時間、病院で待っている間のストレスを少しでも軽減する為に。
そして昼頃に連絡があり、夫と二人で子犬を病院に連れて行った。
夫はわざわざ子犬の手術の日に休みを取った。
そして「頑張れよ。大丈夫だからな」と子犬を抱いて心配そうに声をかけていた。
その姿を見て意外だった。
どうしても愛犬と比べ、子犬にまだまだ愛情が持てないように見えていた夫。
だけどその姿を見ていると、とても子犬を大切に想っているのが伝わってきて私は少し安心した。
そして病室に入り、私の腕に抱かれたまま子犬は麻酔を打たれ、すぐ意識を失った。
一瞬の出来事で、子犬が怯える暇もなく手術が始まった。
その後、私達は家に戻ったが、やはり心配で心配で、そしてこの家に子犬がいない事がこんなに寂しいなんて。
いつの間にこれ程子犬の存在が大きくなっていたのか。
夜になり、病院から電話があり迎えに行った。
きっと痛くて鳴いているかも。怖くて震えているかも。
そんな心配でいっぱいだったが、子犬を見た瞬間ホッとした。
嬉しそうな顔をして私の腕の中に顔をスリスリしてきた。元気そうだ。
あぁ、子犬はすっかり私達の愛犬になっていたのだと実感した。
よく読まれている記事