憂鬱ドライブ
法事の為に田舎にある祖母の家に行ってきた。
私の実家の方の法事なのだが、私は実家の母を連れて二人で祖母の家に向かう事となった。憂鬱だ。
本当は電車で行きたかったのだが、祖母の家までの交通はかなり不便で最寄り駅までかなり遠い。それを考えると高齢の母と一緒に行くとなれば私が運転し、車で行くしかなかった。
しかし私は鬱病以来、車の運転が苦手になった。
電車も閉塞感が苦手で車と同じぐらい辛くなるのだが、最近は少し慣れつつある。
だが車の運転は未だに怖い。それも人を乗せるなんて。
母も鬱病の頃の状態は分かっているが、もうすっかり過去のものだと思っている。
私は電話越しに母に言った。
「本当に私大丈夫かどうか自信ないけど……」
母は、
「大丈夫よ。もし何かあったらその時に考えればいいんだから!」と力強く言った。
その自信、どこからくるのか?
こうして改めて書いていると、私より母の方がずっと元気で強い。高齢の母の為に……と無理している自分が滑稽に思えてくる。
そして法事の日の早朝。母の家まで迎えに行った。
実家に着くと母は準備万端で、玄関先で立って待っていた。
なぜかテンションが高く、まるで遠足に行く子供のように嬉しそうだった。そこまで必要?と思う程大きなリュックを背中に背負っている。
「途中で休憩するところ調べておいたわよ」
「今日は天気で良かったわ。涼しくなってきたし気持ちいいわね」
「親戚の叔父さんも来るらしいわ」
助手席に乗り込んでからずっと一人でペラペラと話し続けた。この先ずっとこれが続くと思うとウンザリする。
ただでさえ苦手な運転を何時間もしなくてはいけないというのに。
私は肩に力が入り、ハンドルを握る手は汗ビッショリで、母の話をまともに聞く余裕もなかった。
そのまま何時間も運転し続け、母も話し疲れ喉も嗄れたかと思われた頃、ようやく懐かしい祖母の家に着いた。
――――続きます。
なぜかテンションが高く、まるで遠足に行く子供のように嬉しそうだった。そこまで必要?と思う程大きなリュックを背中に背負っている。
「途中で休憩するところ調べておいたわよ」
「今日は天気で良かったわ。涼しくなってきたし気持ちいいわね」
「親戚の叔父さんも来るらしいわ」
助手席に乗り込んでからずっと一人でペラペラと話し続けた。この先ずっとこれが続くと思うとウンザリする。
ただでさえ苦手な運転を何時間もしなくてはいけないというのに。
私は肩に力が入り、ハンドルを握る手は汗ビッショリで、母の話をまともに聞く余裕もなかった。
そのまま何時間も運転し続け、母も話し疲れ喉も嗄れたかと思われた頃、ようやく懐かしい祖母の家に着いた。
――――続きます。
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