常識の基準





朝、ゴミを捨てる為にゴミ捨て場に行くと、近所の主婦が数人立ち話をしていた。

朝から立ち話か……うんざりした気分で溜息が出る。
でもそんな事は顔に出さず、遠慮を見せつつ小さな声で――それでいてなるべく笑顔で「おはようございます」と言ってみた。

そのうち顔を知った2人が振り返り「あ、おはよう」と返してくれた。あとの主婦は話に夢中だからか、私をよく知らないからかは分からないが無視。

だが、いつもの様なキャッキャとテンションの高い井戸端会議とは違い、何かヒソヒソと相談している様な雰囲気だった。

いつもならそのまま立ち去る事が多い私だが、その時はなぜか自然と声をかける事が出来た。

「あの、何かあったのですか?」

一人の顔見知りの主婦が答えた。

「あのさぁ、またあの人、回覧板まわしてこないんだって。もう3日も経ってるらしい」

他の主婦も続けて、

「ホント、何回言ったら分かるんだろうね」
「ああいう人がいるから困るのよねー」
「迷惑って事が分からないのかな、ムカツク」
「バカじゃないの、学習しろっての」

次々と吐き出すように言い始めた。

「あの人」とは、まだ30代前半だと思われる主婦のAさんで、数年前にこの地区に引っ越してきた。幼稚園児の子供もいるし、私の中ではすっかり他の主婦と打ち解けているのだろうと思っていたが、この様子を見ているとそうでもないらしい。

「どうする?」
「やっぱり今から言いに行く?」

どうやら、今からAさんの家に皆で苦情を言いに行くかを相談していたらしい。


しまった。こんな面倒臭い事に関わらなければ良かった。
珍しく会話に入れたと思ったら――最悪。

しかし、私は自分から会話に入ってしまった手前、サッサと知らぬ顔をして帰り辛かった。

それにしても……。
私は以前から思っていたのだが、回覧板を早く回さないからといって、そこまで怒る事なのだろうか?
確かに、内容によっては至急回した方が良い時もあるが、地域情報に興味のない私のような人間は、回覧板が数日遅れようが何も気にならない。

それとも、それは私に子供がおらず近所と交流がないからそう思うだけ?
子供がいて積極的に地域活動をしている世帯では何か知らずにいた情報があると、大変な不都合があるのだろうか?

相談していた主婦達は、どうやら今からAさん宅に押しかけると決めたらしい。
まだ朝の8時だ。

「ころりさんも一緒に行く?」と聞かれたので、「あ、ちょっと今日は今から用事があって……」と私は逃げた。

こんな苦情を一緒に言いに行くなんて気が進まない。

その後どうなったのかは知らないが、Aさんは今までも何度も注意を受けている。
しかし一向に変わる気配がないらしいので、きっと今後もマイペースで変わらないのだろう。

その神経、少しは私も見習った方がいいのかもしれない。




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Posted byころり