まるで嫁姑のような関係の自治会

―――前回の続き。
昨日からまた生理が始まってしまい、眩暈と腹痛のダブル攻撃。
会長宅のインターフォンを鳴らすと、すぐに会長本人が出てこられた。
70代の男性で、とにかく自治会活動が生き甲斐のような人。
私が事情を説明し忘年会を欠席したい事を伝えると、「ふぅむ…」とため息なのか返事なのかよく分からない声を発し、しばらく沈黙した。
そして、「体調不良ってどこがどう悪いのですか?」と聞かれた。
さらに、「病院は行きました?どこの病院?お仕事はどうされているんですか?」と次々と質問責めにされた。
仕方なく全て一応返答したが、自治会の欠席だけでどうしてここまで説明しなくてはいけないのか…と重い気持ちになる。
会社勤めをしていても同じ事が多かった。
有給を取得したり、退職する時など、詳細な理由を報告する義務はない――とされているが、実際私が勤めてきた会社ではどこもそれは通用しなかった。表面上はそうであっても、後々同僚や上司などから根掘り葉掘り質問される。
それを「個人的理由です」なんて言える勇気は私にはなく、周囲にもそんな人は誰もいなかった。
一見、会長が病院名や私の状況を細かく質問してくるのは、「自治会の長として住民の心配をしている」とも受け取れる。きっとご本人はそう言うだろう。
しかしこの自治会にはプライバシーという考え方は無いのか?と言いたくなる。
これではまるで嫁姑のような関係だ。
そして会長は言った。
「めまい程度なら、すぐ治る可能性もあるでしょう。一応参加にしておいて、当日辛ければ顔だけ出して頂き、早めに退席しても結構ですよ」と。
すぐ治る可能性って…あなた医者ですか?と言いたい。
それに辛くても顔だけは出さなきゃダメなの?そこまで無理する必要がある?
「いえ、申し訳ありませんが、今回は欠席でお願いします」
と、私は言った。
何を反論しても、何倍にもなって持論が返ってきそうだし、無駄な事は言わずただ「無理です」だけを繰り返した。
すると会長は、「分かりました」と言ったが、その不機嫌が口調と顔に現れていた。
内心、こんな気まずい思いをするぐらいなら、眩暈がしようが吐気がしようが、参加した方が楽だったかもしれない…とも思う。
逆に、「体調不良だけど頑張って参加しました」と、恩を売れるのではないかと。
不参加になったものの、結局心が軽くなったのか重くなったのか…自分でもよく分からない。
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