それでも変わらないこの浮遊感

―――前回の続き。
昨日も朝からふらつきがピークに。
医師が思いのほか反応が鈍いというか黙ったままなので、私はこの程度で受診してしまったのは大袈裟だったか…と思い始めていた。
すると医師が言った。
「脳腫瘍などの可能性は低いと思いますけど…この病院で出来る事はMRIを撮る事ぐらいですが、どうします?」
特に強く検査を勧める事もなく自己判断。
だが折角ここまで来たのだから…と私は検査をお願いする事にした。
大した検査ではない…そう思っていても、やはり手が震えてしまい、思わず安定剤を追加して服用した。
最近は軽い安定剤で乗り越えていたが、久しぶりに服用した効果の強い安定剤。
頭がグラグラして宙に浮いたような感覚になったが、そもそも今の不調の症状がそれなので、不調のせいなのか安定剤の効果なのかよく分からない。
そして、先ほどの医師は無愛想だったが、検査技師はとても優しくフレンドリーな男性だったのでそれに救われた。
「最初から目を閉じていれば大丈夫ですよ」と言われ、そのようにした。
そうして検査が始まったのだが、予想より全然大丈夫。
あれ程怖いと騒いでいた自分が恥ずかしい。
私は以前、旧型のMRIや、別の病院でオープン型も試した事がある。
しかしそのどちらももっと音がかなり大きかったように思う。
だが今回のMRI、本当に音が小さく感じた。
眩暈で音を気にする余裕が無かっただけかもしれないが、それにしてもこんなに音を苦痛に感じなかったのは初めて。
大袈裟かもしれないが、下手するとあの音の中でもうっかり眠ってしまうかも…と思える程。
以前は「工事現場の音」と感じたが、今回は「ゲーム音」の方が近かった。確かに途中で大きな音も続いたが、以前に比べるとかなり楽。
そうして難なく検査を終え、「思ったより楽でした」と検査技師に伝えると、「そうでしょう?音も以前より小さくなっているので」とやはり私が感じたのと同じ事を言っていた。
そして検査結果はやはり問題なし。
医師は相変わらず無愛想で、「問題は無いようです」と言ったきりまたダンマリ。
私の方から、「では耳鼻科など受診した方が良いでしょうか」と問うてみたが、「う~ん…耳鼻科ねぇ。そこで眩暈の薬を貰うだけでしょうけどね」と医師が言った。
何だか受診しても無駄、みたいな言い方。
しかし何はともあれ、脳に大きな病気がある訳ではないと分かり、それだけでも安心した。
それでも変わらないこの浮遊感。
耳なのか目なのか貧血なのか寒暖差なのかストレスなのか。
他の病院も受診してみようかと思う。
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