退職した会社から手紙が届く

今年の初め頃まで勤めていた会社から封筒が届いた。
その社名を見て、あの頃の嫌な気分を思い出した。
週に2日程度しか勤めていなかったが、それにしても毎回出勤日には憂鬱だった。
今日は朝から勤め先の社長から電話がかかってきた。
封筒を開けて見ると予想通り源泉徴収票が入っていた。
この時期なのでそんな事だろうと思っていたが、これまた予想通り、手紙まで同封されていた。あの社長らしい。
そしてその手紙を見て改めて驚く。
便箋2枚に細かい文字でビッシリと私へのメッセージが書かれていた。
辞めてから半年以上も過ぎているのに。
辞めた人に対してこれ程の熱をぶつけられる社長って…やはり変わっている。
その内容は、今の会社の状況の事。
とても好調でコロナも関係なく業績を伸ばしているらしい。
経営改革だとか、新たな戦略があるだとか…
そんな私に関係ないよという事がズラズラと書かれていた。
そして途中からは私への復職依頼…というか復職許可というか。
「ころりさんがまた働きたいと思うなら復職を検討してもいいと思っています」
このメッセージを読み、ヒェ~ッと便箋を落としそうになった。
さらに続けて、「うちのような会社に復帰できるチャンスはこれが最後です」とも。
その後にも「その年齢で仕事を探すのは難しいでしょうから」とか、「うちの会社以上に働きやすい職場は他にない」とか繰り返され、最後には社長の携帯電話番号やメルアドが書かれていた。
いや…あの…私は自ら退職を希望した訳で、戻りたいと思う事は無いですけど。
どれ程内心、「うちの会社は素晴らしい。こんな会社で働ける従業員はラッキーだ」と社長が思っていたとしても、辞めた人宛ての手紙にこうも上目線で書いてくるのは逆効果。二度と関わりたくないと感じた。疲れる。
私はもう外に働きに出るつもりは無いとはいえ、今でも時々求人を見る事がある。
少しでも出来そうな仕事はないか…と、求人サイトをチェックしている。
すると未だにこの会社の求人が常に出ている。
従業員数の欄は0人。
誰も定着しないのだろう。
それならそれで、「人がいなくて困っている」という内容の手紙なら、こちらも素直に読む事が出来るのに。
この手紙で久々に勤めていた頃を思い出し、改めて外で働きたくない気持ちが強くなった。
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