介護や同居の事よりも聞きたい話

先日義母と話していると、珍しく義母が自分の若い頃の話をし始めた。
義母は高校を卒業してから、しばらく会社勤めをしていたらしい。
それは初耳で驚いた。
私が義母と初めて会った頃には、義母は昔ながらの専業主婦という感じで、私が働く事自体にも良い顔をしていなかった。
なので義母が会社で働いていたというイメージが湧かない。
結婚した後に少しパートをしていた事もあると夫から聞いた事はあるが、本格的に社員で働く姿が想像出来ない。
私が驚いていると、義母は嬉しそうに言った。
「私もハイヒールを履いて毎日通勤していたのよ」
今まで義母とこんな会話をした事がない。
私は何となく嬉しくなり、義母に色々聞いた。
どんな仕事?どんな会社?
すると義母はその頃の話をしてくれた。
仕事の内容や会社にいた変な上司の事、通勤していた電車での様子まで。
聞いているとまるで映画を見ているようで、レトロな光景が目に浮かぶ。
今まで義母から聞いた話の中で一番楽しかった。
義母と純粋に会話を楽しめたのは始めてだ。
義母の仕事は簡単な事務だったようだが、それでもその仕事の内容を話す義母は今まで見た事がない良い表情をしていた。少し自慢げでもあった。
女性が働く事に否定的な義母だが、本当は自分もずっと仕事を続けたかったのでは?
私がいつもと違い興味を示しながら義母の話を聞いたので、義母もとても満足気だった。
先の分からない介護だとか同居だとか…そんな会話をするよりも、こんな話を聞く方がずっといい。
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