他人の口を借りて介護を頼むなんて逆効果

昨日、頂き物の調味料があるから渡したいと電話があり、義父母の家に受け取りに行った。
断ってもまたうちまで持ってこられたら堪らない。
そして頂き物は口実で、また義兄の妻の愚痴。
私から見れば義姉なのだが、一回り以上も年下なのでどうも姉とは呼びづらい。
その義姉が友人と旅行に行くらしい。
旅行と言っても近場らしいが、「それにしても結婚をした嫁が友達と旅行で家を空けるのは常識がない」と義母は怒っていた。
どうでもいいのに。
息子夫婦が納得していれば親には関係のない事。そう思えないのだろうか。
そして私がそろそろ帰ろうとした時、玄関から声が聞こえた。
「こんにちは~」
近所の人だ。義母と同年代の女性。
義母とは気が合うのか、時々こうして来るらしい。
「あ、滝本さん、入って下さいよ」と義母が言うと、その滝本さんはリビングまで入ってきた。
私を見るなり、「あら、お嫁さんが来てたのね」と言い、そのまま私の隣に座った。
私は、「じゃあ私はこれで…」と立ち上がりかけたのだが滝本さんが、「そんな事言わずもう少しいてよ」と手を引かれてしまった。
「ころりさんは優しくていい嫁だって、いつもお義母さんから聞いてるわよ。私も羨ましいわ。うちの嫁なんて怖くてね――」と、しばらく滝本さん家の嫁愚痴を聞かされ、適当に聞き流していると滝本さんが私に言った。
「ころりさん、子供がいないんだから長男も次男も関係ないのよ。お義母さんの面倒を見てあげてね」
???
どこからそんな話になるのだ?
滝本さんはその後も、長男に子供がいるなら話は違うけど、いないのだから条件は同じ。長男だから親の介護をしなくてはいけないなんて事はない、さらに墓を継ぐのも長男でなければならないなんて事はない…と、長々と私を説得しようとしていた。
他人の家族の事にここまで口出しをする?と内心ゲンナリしたが、義母は微笑んで満足気に聞いていた。
どうやら義母はいつも滝本さんにこの愚痴を聞かせ、それを滝本さんが代弁してくれている…という状況なのだろう。
お節介もいいところ。
もちろん義母世代の愚痴はあるだろうと思う。
嫁には嫁世代の愚痴があるのだからお相子。
だがそれを直接、他人の口を借りて嫁に言うなんて、余計に逃げたくなるだけ。
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