ビビリで気弱な繊細ちゃん

子犬を予防接種に連れて行った。
これからも愛犬と同じ病院でお世話になるつもり。
だが愛犬の最期を見たあの場所に行くのはあれから初めて。
大丈夫だろうか?
あの場所に行くとまたあの光景が蘇り辛くなるのでは…そんな不安もありつつ病院に向かった。
うちに来てから子犬が外に出るのはこれが初めて。
キャリーケースの中に入れると、「どこに行くの?」という不安げな顔をしてこちらを見ている。
不安のせいか、病院に着くまで暴れる事も鳴く事もなく、キャリーケースの中で大人しくしていた。
そして久々の動物病院。
待合室で待っていると、やはり愛犬の事がつい先日の事のように感じられ、特に愛犬が最期に横たわっていた集中治療室のドアは見られなかった。
キャリーケースの中の子犬を見ると、ガタガタ震えていた。
私は子犬を手で包み、「大丈夫よ」と撫でてみたが、子犬の震えは止まらず。
そしていざ診察となり、診察室に入った。
医師は私の顔を見るなり、「お久しぶりです。またお会い出来て嬉しいです」と言った。
私は愛犬でお世話になったお礼や、また今後もお願いしますと挨拶し、子犬を診察台に乗せた。
すると医師は子犬を見るなり、「わ~、ビビリちゃんだねぇ」と笑った。
そう。
子犬は診察室に入ってから更にビビリ過ぎて、まるで命の危機に遭ったかのような怯えよう。
そしてプスッと予防接種をされ、しばらく経った後に「キャイーン、キャイーン」と鳴き叫び始めた。
私は驚き、「え?どうして?なんで?」と慌ててしまった。
医師の説明によると、注射の痛みは打った瞬間ではなく後でジワジワとくるらしい。
それにしても…
愛犬など注射をされたのかどうか感じていない様子で、それよりも遊びたくてずっと医師に尻尾を振っているような子だった。
あまりの違いに私もやや不安。
帰り際に医師が子犬の顔を見て、「うん、繊細っぽいね」と言って笑っていた。
繊細かぁ~。なんだか気弱なところが自分にそっくりで胸が痛い。
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