明日来るかもが今日になる

義母からの電話を切った後、ソワソワと落ち着かなかった。
本当に家に来られたらどうしよう。
いっそ何も言わず病院の送迎だけすれば良かったか…。
焦った私はすぐ夫にラインを送った。
すると夫は、「来なくていいって断ったなら来ないと思うよ」と、のんびりしている。
そうだろうか。
確かに最後まで私は、「大丈夫だから来ないで下さい」とハッキリ繰り返した。「また近いうちにこちらから行きます」とも言った。
気にし過ぎかもしれない。
夫が帰宅したら念の為実家にメールをしてもらってもいい。
そう自分に言い聞かせつつも、気持ちが落ち着かないので部屋を片付け掃除をした。
まだどこかで「明日来るかも…」と思っていたのだろう。
そして夕方になり、そろそろ夕食の用意をしようとした時、インターホンが鳴った。
「まさか…」と思いモニターを見ると、そこには義母が映っている。
えぇ⁉本当に来たの?それも今日?
万が一来るとしても明日だと思っていたのに…
さらに義父も一緒に来ていた。きっと義母に付き合わされたのだろう。
いっきに憂鬱が押し寄せたが仕方がない。
マスクをして玄関を開けた。
こんな時、良いのか悪いのか、マスクのおかげで?私の憂鬱な表情が相手に伝わらない。
「ころりさん、大丈夫?」
そう言いながら、既に義母は私より先にリビングに入って行った。
そして「ヤダッ!何これ!」という叫び声。
そうなのだ。
まだ義母に子犬の事を言っていなかった。
―――続きます。
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