昭和感漂う民家の病院

―――前回の続き。
先日ネットで見つけた漢方専門の病院。HPはあるものの、
インターフォンを鳴らすとドアが開き、白衣の女性が顔を出した。
HPに載っていた医師だ。
医師自ら出迎えてくれ、「初めまして。宜しくお願いします」と丁寧に笑顔で自己紹介をしてくれた。
HPでの第一印象と変わらず、とても良い雰囲気の医師。
しかし医師が自ら出迎えるなんて…きっと患者は私だけなのだろう…。
そう想像しつつ中に入ると、予想外に部屋の中には既に患者が数人いるようだった。
改装もせず、本当に普通の一軒家。
和室続きの部屋にベッドが数台置かれ、カーテンがかかっている。
病院だと思って来てみたが、実際見てみるとどちらかというと鍼灸院のような雰囲気。
医師が丁寧に自己紹介してくれたり、時間をとって診察してくれるのも、まさに鍼灸院寄りな感じがする。
そして問診票を記入する時間や、医師の診察時間を含めると、その病院には2時間以上いた。
待ち時間はほとんどない。しっかり問診し、診察、説明など、一つ一つにじっくり時間をかけとても丁寧。
私はこれまでの経緯や現在の体調不良などを話した。
話しやすい医師なので、こちらも次々言葉が出てくる。
私が診察を受けている間も、次々と常連らしき患者が来て、その瞬間だけ少し医師が席を外す。
私は脈や舌、目の色や全身の触診をされ、とりあえず漢方薬を処方してもらった。
他の患者達は皆鍼治療を行っている様子だったので、私もそれを勧められないか不安だったが、「とりあえず漢方薬で様子を見ましょう」と言われホッとした。
私は鍼治療が苦手だ。
その雰囲気が医師にも伝わったのか、それとも初診だったからか…無理には勧められなかった。
医師と患者の壁を感じさせず、とても良い医師のように思う。
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