路地の奥にある病院

先日ネットで見つけた漢方専門の病院。
HPはあるものの、レビューが少なく情報が少ない。
しかしその数少ないレビューの評価がどれも良く、皆揃って「熱心に時間をかけて診察してくれる。優しく穏やかで話しやすい医師」と書いている。
HPには顔写真も載っているが、第一印象も良い雰囲気。
予約制のようなので電話をしてみると、想像とは違った。
一瞬、電話をかけ間違ってしまったのかと思うような反応で、普通の病院の受付とは違い、どこか個人の家にかけてしまったかのような対応。
だがその番号で合っていたらしく、すぐに予約をする事が出来た。
電話対応に違和感があったので、一体どんなところなのだろう…と不安になる。
しかし診察といってもただ問診するだけだろう。
どんな所であっても試しに行ってみよう。嫌なら二度と行かなければ良いだけだ。
私はあまり期待せずその病院に行く事にした。
予約の日。
まずその病院が分かりづらい。
グーグルマップで検索して行ったものの、その場所に着くと「目的地に到着しました」とスマホは言っているのに、実際周囲を見渡しても病院らしき建物が無い。
しばらくその周辺をウロウロと歩いてみた。
するとその病院の小さな看板があり、矢印で案内されている。
しかし…その矢印の先は路地。
民家の間を通っていくような細い道で、道路も舗装されておらず、一見するとこの先に病院があるとは到底思えない。
私は迷いつつもその先を真っすぐ歩いた。
すると…その病院があった。
路地の奥深く、民家の間にあった。
それは普通の一軒家。
まさかこれが病院?
予想とは違い過ぎたが、玄関にその病院の看板があげられているので、この家が目的の病院なのだろう。
私は恐る恐るその家のインターフォンを鳴らした。
―――続きます。
インターフォンを鳴らすとドアが開き、白衣の女性が顔を出した。
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