予想とは違った。立場逆転

夫のペットロスがこれ程酷いとは予想もしていなかった。
私自身は愛犬がいる頃から、いつかその日がきたら自分はどうなるのだろう…とても平常心ではいられない…と思っていた。
夫ともよくそんな話をしていたがいつも夫に、「しっかりして。残すのでなく看送れる事が幸せなんだから」と諭された。
そんな夫が今、ペットロスで毎日泣き暮らしている。
「何もやる気がしない。仕事も辞めてしまいたい」
そんな事ばかり言い、ふとした瞬間に号泣し始める。
まさか夫がここまで酷い状況になるとは。
「あの子は僕らにとっては子供だった」と何度も繰り返している。
気持ちは十分過ぎる程分かるが、こんな風に毎日感情を露にされると私は心に蓋をせざる得ない。
夫は私に、「もっと感情を出して泣けば?」と言うが、先に目の前で号泣している夫がいると、冷静になっていく自分がいる。
誰から見ても感傷的になっている夫と、他人から見れば平常心の私。
私も一人でいると泣けてきたり、思い出すのも辛くて息苦しくなるが、夫のように感情を吐き出せない。
多分夫は、私ともっと愛犬の思い出を語り合ったり、涙が枯れるまで一緒に泣きたいのだと思うが、私が一歩引いた状態。
今では私の方が夫を、「きっとあの子は幸せだったと思うよ」とか、虹の橋の話をしながら慰めたりしている。
でも本当は私の方が誰かにそう言って欲しい。
よく読まれている記事