覚悟していたのに心が一撃された

ゴールデンウイーク期間中、実母から電話があった。
愛犬の事があってから体調不良を理由に実母とは一度も会っていない。
これだけ会わない期間があるのは珍しく、母も黙っていられない様子。何かと理由をつけて電話をかけてくる。
さすがにこのまま避けてはいられない。
私も適当な嘘で会うのを断り続ける事に疲れてきた。そろそろ会うしかなさそうだが気が乗らない。
ちなみに義実家には夫が愛犬の事を話したようだ。
だが大した反応が無かったらしい。
もともと義両親は動物が嫌いだし、興味もない。
しかしむしろその方が助かる。下手にあれこれ言われる方が精神的に負担になるから。
母は電話の向こうで友人達の噂話をしていたが、「それで体調はどう?」とこちらの調子を聞いてきた。
さらに続けて、「食事に来なさいよ。少しぐらいなら犬を留守番させればいいでしょ」と言われ、私は黙ってスルーする事が出来ず思わず言った。
「もういないよ」
「え?」
母は大袈裟に驚いていたが、私はその一言を発した瞬間、気持ちが溢れて泣きそうになった。
もっと平気で元気なフリをするつもりだったのに、そこまで装えず何とか事実を伝えるだけで精一杯だった。
私は、「食事はやめておくけど、通院とか何か困った時には電話して。その時は行くから」と義務的に答えて電話を切ろうとした。
しかし母は続けて、
「こうなるから犬を溺愛するのはやめた方がいいと思ってたのよ。もっと距離をとって飼えば良かったのに」と言い始めた。
さらに、「そんな飼い方だとペットも可哀想」と。
こういうセリフを聞きたくないから母に言いたくなかった。
電話を切った後、悔しさや悲しさ、虚しさでいっぱいになり、感情の持って行き場が無くなった。
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