帰りたくなる気分で在宅ワークの面接

先日連絡があった在宅ワークの仕事。
今日は面接に行ってきた。
あれからもなぜか気乗りしなかったが、「どうせ関わらないのだから。在宅ワークなのだから」と自分に言い聞かせた。
スマホに着信があり、知らない番号だったので調べてみると、先日応募した在宅ワークの会社からだった。
電話越しに伝わる殺伐とした雰囲気が気になる。
面接相手はあのハキハキとした口調の女性なのだろうか。
私はこんな性格だが、意外と面接は緊張しない方だった。今までは。
仮面を被るのが得意な為、つい面接では良い顔を(明るく)してデキル女を演じてしまうので、すんなり採用される事が多い。
だが初出勤日になると急にテンションが落ち、手が震え始め、自己紹介では声がオドオドしてしまう。
さらに勤務し続けるうちにその症状に拍車がかかり、仮面が剥がれ暗くて地味な私が周囲にもバレてしまうというパターン。
しかし今回は珍しく面接に行く前から緊張していた。というか既に落ち込んでいた。
まだ会ってもいない相手に、「暗い人だと思われそう」と構えていた。
その会社は小さな建物で、静かな路地の奥にあった。
人の気配がなく、営業しているのかどうかも分からない程ひっそりしてる。
私はインターフォンを鳴らしてみた。
すると誰も出てこない。
面接場所を間違えてしまったのか?
しかし看板は合っている…時間も合っているはず…。
途方に暮れつつ、再度インターフォンを鳴らすと、ようやくバタバタという音がして女性が顔を出した。
「何か?」
私と同年代か…少し年下かという感じ。
全く笑顔がなく、むしろ怒っているようにさえ見える。
「今日の〇時からの面接に参りましたころりと申します」
私がそう伝えると、「…え?あぁ…」と、知らなかった様子。
そして一瞬間をおいて、そのままドアが閉まった。
閉められたドアの前で立ち尽くす私。
どうなってるのーっ⁉内心帰りたい気分になっていた。
すると1分程経ち、再びドアが開き女性が顔を出したのだが、今度は先ほどとは違う女性だった。
「面接の方?どうぞ」と言われ、ようやくその建物に入る事が出来た。
――続きます。
―――前回の続き帰りたくなる気分で在宅ワークの面接先日連絡があった在宅ワークの仕事。
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