辞めるのは賛成しかねます

久々に会社に出勤し、やはり辞めさせて欲しい事を伝えた。
最初からこの社長の雰囲気が合わず長く続ける自信は無かったが、完全専業主婦になるのもそれはそれで毎日辛いのが想像出来る。義母や実母からのメールや電話が頻繁になり、依存が深まるのが想像できるから。
あとは近所。
「専業主婦なら暇でしょ?」と、何かと頼まれやすくなる。
週に1~2日の仕事なんて無意味かもしれないが、それでもいざとなれば断る言い訳材料にしたいと思っていた。
だから社長とは合わないが、辞めたいと思う度に親と近所の事を思い出し天秤にかけ我慢してきた。
しかし今回、迷わず決心したのは愛犬の為。
あれから体調は何とか回復し、今はヨチヨチと歩いている。
だがそんな後ろ姿を見ていると老犬になったのを実感し、あとどれだけ一緒にいられるのだろうと思う。
この先何年もないかもしれないと思うと、親とか近所とか気にしている場合ではない焦りのような気持ちが出てきた。
そして昨日、社長に退職したい旨を伝え、理由も正直に話した。
すると社長は渋い顔をして、「それは困りましたね…」と言った後、長い沈黙。
そして言った。
「辞めるというのは賛成しかねます」
すんなり受け入れてもらえるとは思っていなかったが、やはり予想通り。
社長は先日の電話で言っていたのと同じように、「来られる日だけ来てくれればいい」と繰り返した。
今日も愛犬の体調が悪い。ほとんど動けずトイレまで歩く事も辛そうなのに、
例えば、夫が休みの日だけ出勤するとかでもOKだと言うのだ。
こちらの都合にここまで合わせて頂けるなんて、普通ならとても有難い話。
だが私は、とりあえず仕事の事を頭から消し、ゆったりした中で愛犬と過ごしたい。
夫と交代で何曜日は仕事で…と考える事自体が落ち着かず、私の時間の全てを愛犬の為に使いたかった。
しかしそんな気持ちを他人に理解してもらうのは無理で、多くの人は「犬の為に辞める?どうして?」となる。
私自身、そもそも中途半端な気持ちで働き始めてしまった事自体、間違っていたと後悔している。
会社にとっては迷惑な人だろう。そんな気持ちなら最初から働くなと言われても仕方がない。
理解してもらえなくても退職を受け入れてもらうしかない。
―――続きます。
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