生き方、死に方は自分が決める

今回のALS患者と医師二人の事件。
女性は自分と同年代で一人暮らしと聞き、もしも自分だったら…と考えずにはいられない。
以前NHKで、「彼女は安楽死を選んだ」というドキュメント番組が放送されていた。
ALSを患う52歳の女性が安楽死を求めてスイスに渡り、現地のスタッフのサポートの元、薬物により自ら命を絶った。
私は画面から目を逸らせず、ただただ涙が止まらなかった。あまりにも辛すぎて。
何が辛いって、安楽死を選択するにはハードルが高過ぎる事。
もちろん病気になった事自体が何よりも辛い事だが、その後の生き方、死に方に苦悩する姿も胸に迫った。
その番組内での女性は、まだ動けて会話も出来る状態だった。
それでも「時間がない」と焦っていた。
安楽死を実行する為にはスイスまで行かねばならず、その体力があるうちに…と思うと3ヶ月先でも自信がない状況。
傍目から見ていると、「まだ寝たきりでも無いのに…もう少し待って」と思ってしまうが、それでは遅いのだ。
そんな精神状態に追い込まれる事が悲しくてたまらない。
それでもその女性には強い意志があり、行動力があり、助けてくれる姉達もいた。
スイスの団体と英語でやり取りする語学力もあり、それらがある程度揃っていないと、なかなか彼女のようには出来ない。
もしも自分なら…想像してみても、私も安楽死を選びたいだろうと思うが、それを実現するまでのハードルが高過ぎて、考える程不安になった。
さらに今回のニュースのように、自分が一人暮らしで相談出来る相手もいなければ?
……ただひたすら、いつ来るか分からない最期の日を待つしかないのだろうか。
だがその番組内でもあったが、全ての人が安楽死を望む訳ではなく、それが幸せだとも決めつけていない。
治療や緩和ケアを望み、病気と寄り添いながら生きていく道を選ぶ人もいる。
何が幸せかは自分で決めたい。
だからこそ、日本でも安楽死が選択肢の一つになれば良いと思う。
「そんな選択肢もある」
実際に選択するかどうかは別として、そう思えるだけで難病を告知された後も心の拠り所になるように思うから。
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