あなた、何もしていないでしょ?

自治会の防災訓練。
ただ参加するだけでいいと思っていたが、今日は班長がうちに来て、「ころりさん、私の代わりに班長の役をやってもらえない?」と頼まれた。
現在班長である主婦は、実家の親が急に倒れたらしく、当分実家に帰ると言う。
その為、今回の防災訓練も参加出来なくなったらしい。
班長の代役。
この地域の防災訓練はただの訓練だけで終わらない。
訓練の前に役員の打ち合わせ会議が何度もあり、さらに訓練の後には地域の皆に菓子を配ったり…何かとやる事がある。
いつもはゲームなども行い、訓練なのか楽しむ為のイベントなのか分からない状況なのだが、今回はどこまでするのか…私は知らない。
コロナがあるからある程度は自粛するのか…いや、でもこの地域の事だから例年通りという可能性もある。
代役を頼みにきたぐらいなので、ある程度何かやるべき事があるのだろう。
私は億劫だった。
その作業が嫌だというより、その事により近所の人と関わるのが怖い。
最近また近所の人と気まずくなる出来事があり、それ以来出来るだけ避けるようになってしまった。
「ごめんなさい、私も最近忙しくて…」
と、私はその班長代役を断った。
すると班長主婦は、「頼める人はころりさんしかいないの」と言う。
「他の人は仕事があったり、子供がいたりして、頼みづらいし…」
そう言い、「ころりさん、何もしていないでしょ?」と言われた。
ズバリ、その通り。
私は何もしていない。
その言葉が胸に突き刺さり、返す言葉が見つからなかった。
事前に心の準備が出来ていたら、嘘でも「親の介護」や「短期の仕事に行っている」など、誤魔化せたかもしれない。
「だからお願い!」
と手を合わされ、結局断る事が出来なかった。
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