義母を抱きしめたいという感情

熊本の豪雨被害の様子をニュースで見た。
昔では考えられなかった大規模な災害。今では誰もが他人事ではない。
そのニュースを見ている時、災害の大きかった老人ホームが映されていた。
その施設に入所している老人の親族という方が、心配して様子を見に来ていた。インタビューに答える様子を見ていると、どうやら入所している老人の息子の妻らしい。
入所者の中では今回の災害で亡くなられた方も多く、その女性は義理の母の安否が心配だったようだが、無事救出されて安堵していた。
そしてその女性がインタビューに答えた内容が印象に残った。義母であるその老人を
「抱きしめてあげたい」
と言ったのだ。
もしかして今このブログを読んで頂いている方も、同じ映像を見た人が多いのでは?
その後、その女性と義母である老人が手を握り合っているところが映されていた。
私は思った。
もし私があの女性と同じ状況になったら、義母を抱きしめてあげたいと言えるだろうか?手を握れるだろうか?
自信が無かった。
しかし私のような冷たい嫁であっても、当然命の心配はする。助かっていて欲しいとも思う。こんな災害で亡くなってしまうのは相手が誰であれ辛い。
そしてもしかしたら、本当にその場になれば私にも「抱きしめてあげたい」感情が出てくるのかもしれない。
だがもしそうだとしても、私はその感情を実際表に出せないだろうと思う。私の中でブレーキがかかり、素直にそういう事を言ったり行動に移せない。
そのテレビで見た女性のような嫁だったら、姑となる人も幸せだろう。
それに毎回災害のニュースで思うが、今回もどれ程人との繋がりや協力が必要かと痛感させられる。
だからこそ怖い。
今住む地域に馴染めず孤立している私が、もし被災してしまったら…。
災害に遭えばそんな事を言っていられないだろうし、そんな事を今考えるのは不謹慎なのかもしれないが、それでも考えてしまう。
その時がきたら私はどう他人と関わるのだろう…。
よく読まれている記事