嘘をつき続けるべきだった

私が仕事を辞めれば、どちらの親も干渉が酷くなるのは目に見えていた。
だが義母の場合、「これからいつ電話しても家にいるわね、嬉しいわ」と、あくまでも自分に構ってもらえればそれで気が済む人。
しかしもっと厄介なのが実母。
ただ私が実母の世話をしたり話し相手になるだけでは気が済まない。
「これからどうするつもり?ころりにはこんな仕事が合うと思うわ。友達に紹介して欲しいって頼んであげる」などと、私の生き方について意見してくる。いや、意見というより指示に近い。
なので実母には、仕事を辞めた事を出来れば言いたくなかった。
仕事を辞める前からこのブログへのコメントでも、「母親には退職した事を言わない方が良いと思います」とアドバイスを頂いた。
それなのに…。
私は上手く嘘がつけなかった。
1~2回は、「次の仕事はいつ?」「今は忙しいの?」という母からの質問を適当にかわし、仕事を続けているフリをしていたが、電話がある度に母からの追及に追い詰められていた。
「昨日は仕事から何時に帰ってきたの?その間、犬はどうしていたの?」
「通勤は混んでる?職場ではみんなマスクをしているの?」
「今の仕事は何を担当しているの?責任は重いの?」
「仕事の休憩時間はどんな会話をしているの?」
などなど…。
まだまだ書ききれない程、次から次へと根掘り葉掘り質問され、先日、「私の友達に、ころりの仕事関係の人を紹介してあげてよ」と言われ降参した。
「仕事は辞めたから」
ついに言ってしまった。
今から思うと、嘘がバレバレであっても嘘をつき続けるべきだったと思う。
それ以降、母は毎日のように電話をかけてきては、
「仕事をやめて誰とも会話をしなくなってはダメ。社会に出るか、友達と会うとか交流をしないとね。暇ならうちに来なさいよ、一人よりいいでしょ」
と、私の気持ちを追い詰める。
のんびり暮らそう、自分が納得していれば引きこもりでもいい、そう自分に言い聞かせていても、こうして「ダメ」と烙印を押されては劣等感が強くなるばかり。
「またそのうち働くから」
そう言ってみるが、「どんな仕事?面接は行くの?お給料はそれなりにあるの?」と、まだ全く予定もない仕事の事を先走り質問し始める。
放っておいて!
そう叫べたらいいのに、それが出来ない。
自由になりたい。自分さえ良ければ何者に何を言われても気にしないようになりたい。
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