義母に白髪染めを頼まれた

何とか市販の白髪染めで白髪を隠す事が出来た。
しばらく美容院に行っていない。
その黒く染まった頭で義実家に行くと、すぐに義母が気付いた。
「ころりさん、髪の毛を染めたの?」
凄い。
若い人ならまだしも、この年齢の老人が他人の毛の色に気付くなんて。
と、義母の観察力に驚いたがよく考えれば、それ程私の白髪が今まで目立っていたとも取れる。
「そうなんです。自分で適当に」
少し前にも義母と美容院の会話をした事があった。
「今はコロナがあるから美容院にも行けないわね」と。
なので義母も白髪がかなり目立っている。
それを気にしていたのか、私の白髪が消えた頭を見て羨ましそうに言った。
「ついでに私の白髪も染めてくれない?」
えーっ??私が?
咄嗟に嫌だな…と思った。正直な気持ち。
だが思い直した。たかが髪の毛。下の世話を頼まれた訳ではない。
「いいですけど…でもそろそろ美容院に行ってもいいんじゃないですか?」
一応軽く抵抗してみる。
「でもころりさんが染めてくれるなら節約になるし、行く手間が省けるから」
「私が染めるとムラになるかもしれませんよ」
たかが髪の毛を染めるだけと自分に言い聞かせた割には、私は往生際悪く抵抗した。
「一回試しにやってみて下さいよ。ムラになってもいいから」
そこまで言われて断る理由が無くなった。
昔、知人女性が義母の髪の毛を定期的にカットしていると聞いた。
それに比べれば毛染めの方がハードルが低い…と思おう。
しかしこれが当たり前になり、そのうち義父の白髪も染めてくれと言われそうな気がしている。
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